2013年10月25日

ミュンシュ&ボストン響のオネゲル:交響曲第2番&第5番「3つのレ」、ルーセル:「バッカスとアリアーヌ」第2組曲


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1941年に書かれ、オネゲルのヒューマニスティックな情熱の結晶である交響曲第2番、クーセヴィツキー財団の依頼でボストン響のために作曲され、ミュンシュによって初演された交響曲第5番の世界初録音とは、作曲者オネゲルと親交があり、指揮者として最も敬愛されていたミュンシュならではの歴史的名演。

ミュンシュのオネゲルは、いつ聴いても超名演で、他の指揮者の演奏とはまるで次元が違うと思う。

オネゲルのCDが数多あるなかで、この演奏がもっとも力強くオネゲルという作曲家を物語っている。

全編に厳しい緊張感が漲り、作品に込められた痛切なメッセージを極めてストレートに再現している。

第2番は、第2次大戦の最中に作曲された悲劇的な作品であるが、第1楽章の圧倒的な迫力と悲劇的な力強さは、他の指揮者の演奏では聴かれないものだ。

第2楽章の緩徐楽章も悲痛の極みであり、終楽章のラストのトランペットも、決して能天気な明るさには陥らず、強制された喜劇のような抑制的表現であり、ミュンシュのオネゲルの本質への深い理解を感じさせる。

第5番も超名演。

オネゲルがスコアに記したテンポや表情が目まぐるしく変化する複雑な楽想を、造型をいささかも弛緩させることなく、幅の広いダイナミックレンジと緩急自在のテンポ設定の下、オネゲルが同曲に秘めた悲劇的な情感を、格調を失うことなく描ききっているのは、もはや神業という他はない。

第2番と第5番の交響曲では、トランペット・ソロが非常に重要な役回りを演じていることが共通しているが、とりわけ第5番の強く迫るフォルテは一度聴くと忘れられない。

ボストン響とは唯一の録音となった「バッカスとアリアーヌ」第2組曲もミュンシュが初演しており、作品を極め尽くした者のみに許される壮絶な表現が聴きもの。

パリ時代から同時代の作曲家の作品を積極的に取り上げ、ボストン響時代も前任者クーセヴィツキーの方針を受け継いで、世界的な作曲者たちに新作を委嘱し続けたミュンシュの功績を刻印したアルバムである。

オネゲルの第2番は、3種類あるミュンシュの録音のうち2番目(ミュンシュは1942年、パリでの世界初録音を指揮)で、1967年パリ管との再録音あり。第5番はミュンシュ唯一の録音であるだけに貴重だ。

「バッカスとアリアーヌ」第2組曲は、ボストン響を離れた後フランス国立管と再録音している。

惜しむらくは録音がイマイチであることで、Blu-spec-CD化しても、あまり改善が見られないのは、1950年代前半という録音時期を考慮すれば、致し方ないのかもしれない。

「バッカスとアリアーヌ」第2組曲は、録音のせいもあるとは思うが、バレエ音楽としては生硬な印象を受ける。

ここぞという時のパッションの爆発はさすがであるだけに、少々惜しい気がした。

とはいえ、このような素晴らしい演奏のCDが、カタログから消えてしまわないことを切に望みたい。

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classicalmusic at 20:46コメント(0)トラックバック(0)ミュンシュ  

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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