2015年06月17日

ミュンシュ&ボストン響のラヴェル:ダフニスとクロエ(1961年録音)&ピアノ協奏曲(1958年録音)


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これは全盛期のミュンシュ&ボストン交響楽団という黄金コンビによる類い稀なる音の饗宴である。

演奏は闊達にして生命力に溢れ、同時にフランス的な上品さも醸し出しており、こんな名演を何度でも行うことができるというのが、まずもって驚きである。

先ず、「ダフニスとクロエ」についてであるが、本盤は、ミュンシュ&ボストン交響楽団にとって第2回目の録音で、第1回目の録音から6年後の再録音となったものであるが、何というゴージャスな響きだろう。

基本的なコンセプトは同じものの、円熟味を増しスケールが大きくなったミュンシュの解釈が、より鮮明なステレオ録音によって克明に記録され、微弱なピアニッシモによる冒頭から圧倒的なクライマックスを築く「全員の踊り」まで、息もつかせぬ緊張感が持続する。

合唱も実に巧く、オーケストラともども、ミュンシュの圧倒的な統率力の下、実に巧みな情景描写を行っている。

あたかも、眼前で劇的なドラマが進行するかのようであり、Blu-spec-CD化による鮮明な音質が、その演出効果をより一層際立たせてくれている。

同コンビには1955年に収録した同じ曲の初期ステレオでの名盤があるのだが、そのときの録音と比べると、現在聴くことができる通常のステレオ録音のイメージに近くなっている。

またホールの残響音も取り入れられており、左側で打楽器が打ち鳴らされると、右チャンネルから豊かな響きが返ってくるのを聴くことができる。

解釈そのものや、各奏者の素晴らしいテクニシャンぶりは1955年盤をほぼ踏襲しており、劣ったところはみじんもない。

LP時代にミュンシュの「ダフニスとクロエ」と言えばこちらの演奏だったのだが、CD時代になって1955年盤が復刻され、そちらが主流になってしまっていた。

第2幕終盤の「クローエの嘆願」から第3幕の「夜明け」に至る部分は、繊細で美しい表現が聴かれ、1955年盤よりこちらの方を好まれる方もおられるだろう。

1958年録音のピアノ協奏曲は、ニコレ・アンリオ=シュヴァイツァーとの共演。

アンリオはシュヴァイツァーの甥と結婚したフランスのピアニストで、第2次大戦中レジスタンス活動に参加し、その頃からミュンシュとは旧知の仲。

演奏会でも録音でも共演は多く、ラヴェルのピアノ協奏曲も3種類残されている。

当盤は2度目の録音で、テンポはやや速めであるが、その中でのミュンシュの重心のいささか低めの重厚な演奏と、シュヴァイツァーのセンス満点の演奏が、我々聴き手を深い感動を誘う。

特に、ラヴェルの作品の中でも最も美しい第2楽章の味わい深さは格別である。

それにしても、両曲ともに、ミュンシュのスタジオ録音とは思えないほどの情熱的かつ熱狂的な指揮ぶりが際立っており、聴き終えた後の充足感という点からすれば、いずれの曲も随一の名演の1つと言っても過言ではあるまい。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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