2015年02月09日
ボスコフスキー&ウィーン・フィルのシュトラウス:ワルツ、ポルカ、マーチ集
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ごく標準的なウィンナ・ワルツの演奏では、ボスコフスキー指揮ウィーン・フィルがいいだろう。
指揮者がヴァイオリンを弾きながら、優雅な身振りでオーケストラを指揮する、そんなウィンナ風の弾き振りで、ウィンナ・ワルツの数々を楽しませてくれたのが、このボスコフスキーである。
ウィーン・フィルを指揮してシュトラウス・ファミリーの世界を伝統的かつ魅力的に再現できたウィーン出身の指揮者と言えば、19世紀末に生まれたE.クライバーとC.クラウスの名が思い出されるが、このふたりに続くのが20世紀初頭に生まれたボスコフスキーだろう。
C.クラウスのあとを継いで、ニュー・イヤー・コンサートを指揮するようになったのが、このボスコフスキーである。
これはボスコフスキーがもっとも精力的に活躍していた頃に録音されたもので、どの曲も粋で優雅で洗練されていて実に素晴らしい。
表現はあくまで現代的で、メリハリを利かせたリズミカルで、快調なワルツになっている。
ボスコフスキーならではの、ウィンナ・ワルツの心をよく捉えた表現で、ウィーンの馥郁たる香りにあふれた素敵なものばかりだ。
たとえば、J.シュトラウスの「美しく青きドナウ」、「芸術家の生活」、「ウィーンの森の物語」、弟ヨゼフの「天体の音楽」など、どの曲を聴いても溜息のでるような美しさであり、その旋律の歌わせ方や間のとり方の巧さに魅了されてしまう。
伴奏に使ってもそのまま踊れるような演奏を行っており、現代的な感覚をもった優雅さが魅力で、生粋のウィーンっ子らしい、絶品といえる演奏ぶりだ。
ポルカの演奏はワルツよりもさらに上回る秀逸なもので、粋で生気にあふれ、表情が若々しく、みずみずしく生き生きとしていて、大変楽しい。
そのリズムの扱いと間のとり方の巧さは、この人ならではのもので、どれもこれも素敵でごきげんな演奏ぶりである。
はじめヴァイオリニストとして世に出た彼は、シュトラウス同様、自ら演奏しながら、指揮することができた。
ヴァイオリンを弾きながら指揮をとるボスコフスキーは、シュトラウスの再来を思わせるとして、全ヨーロッパで人気が高かった。
先輩たちより庶民的な感じが強い演奏になっているゆえんであろう。
ボスコフスキーとウィーン・フィルの息のあった演奏はこのコンビならではのもので、まずこれさえあれば、ウィンナ・ワルツやポルカを親しむには充分といえるCDアルバムである。
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