2015年06月13日

プレヴィン&ロンドン響のラフマニノフ:交響曲全集&管弦楽作品集


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クラシック音楽をはじめ様々なジャンルの音楽を手掛けてきた稀代のミュージシャンでもあるプレヴィンが、これまでクラシック音楽のジャンルで遺した録音の中で最も偉大な業績は何かと問われれば、筆者は躊躇なく本盤に収められたラフマニノフの交響曲全集&管弦楽作品集を掲げたい。

プレヴィンは、若い頃からラフマニノフを得意としており、本盤に収められた全集のほかにも、第2番についてはロンドン交響楽団(1966年)及びロイヤル・フィル(1985年)とのスタジオ録音を行っており、ピアノ協奏曲についてもアシュケナージ及びロンドン交響楽団とともに全集(1970〜1971年)を録音している。

しかしながら、ピアノ協奏曲は別として、本盤に収められた演奏こそは、プレヴィンによるラフマニノフの交響曲(第2番)のベストの名演であるとともに、他の指揮者による様々なラフマニノフの交響曲全集&管弦楽作品集にも冠絶する至高の超名演集と高く評価したいと考える。

プレヴィンのアプローチは、ラフマニノフ特有の甘美な旋律の数々を徹底して美しく歌い上げると言うものである。

もっとも、そのような演奏は、近年、急速にその人気が高まっているラフマニノフの交響曲だけに、他にも数多く存在していると言えるが、プレヴィンの演奏の素晴らしいのは、どこをとっても陳腐なロマンティシズムに陥ることがなく、格調の高さをいささかも失っていないという点にあると考える。

要は、とかくラフマニノフの演奏では、旋律のあまりの甘美さ故に、厚手の衣装を身にまとったような重々しい演奏やお涙頂戴の哀嘆調の演奏などが散見されるが、プレヴィンの場合は、いささかも重々しくなることはなく、さりとて軽薄になることもなく、各種旋律を格調の高さを保ちつつ情感豊かに歌い抜くという、ある意味では難しい剛柔のバランスのとれた演奏を実現しているのである。

かかる演奏は、まさにラフマニノフ演奏の理想像の具現化と言えるところであり、それ故に、本交響曲全集&管弦楽作品集が現在においても随一の名演であり続けるとともに、その後の演奏に大きな影響力を発揮するという普遍的な価値を有している所以であると考えられるところだ。

加えて、第2番については、それまで大幅なカットを施して演奏されていたのを史上初めて完全全曲版により演奏したものであり、第2番の真の魅力を広く世に知らしめるとともに、その後広く普及することとなった完全全曲版による演奏に先鞭をつけたという意味においても、本演奏の意義は極めて大きいものであることを忘れてはならない。

なお、前述のように、プレヴィンは、ロイヤル・フィルとともに第2番を再録音しているが、当該演奏はテンポが若干遅くなるなど円熟の名演ではあると言えるものの、若干角が取れた分だけいささか甘美さに傾斜した点が見られなくもないところであり、筆者としては、若干ではあるが本演奏の方をより上位に置きたいと考える。

音質は、1973〜1976年のいわゆるアナログ録音の完成期のものであるが、EMIだけに必ずしも十分な音質とは言い難い面がある。

もっとも、あらゆるラフマニノフの交響曲全集&管弦楽作品集中の随一の超名演集であることもあり、既にHQCD化されている第2番以外の楽曲についてのHQCD化、可能であればすべての楽曲のSACD化(第2番については、今後SACD化が予定されているとのことであり、大いに歓迎したい)を図るなど、更なる高音質化を大いに望んでおきたいと考える。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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