2015年02月16日

キーシン&カラヤンのチャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番、他


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本盤には、若きキーシン(17歳)が最晩年のカラヤン(80歳)&ベルリン・フィルと組んで行った唯一の演奏であるチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番が収められているが、至高の超名演と高く評価したい。

それは、何よりも、バックをカラヤン&ベルリン・フィルがつとめたというのが大きいと言える。

本盤の演奏は、カラヤンのベルリンでの最後のコンサートとなったジルヴェスターコンサート(1988年12月31日)の直前に収録されたものとされている(加えて、ベルリン・フィルとのラスト・レコーディングにも相当する)。

もっとも、CDにはライヴ・レコーディングと表記されており、演奏終了後の拍手が収録されていることから、ジルヴェスターコンサートでの実演をベースにしつつ、一部にゲネプロでの演奏が編集されているのではないかとも考えられるところだ。

当時のカラヤンとベルリン・フィルの関係は決裂寸前。

そして、カラヤンの健康も歩行すら困難な最悪の状況であり、コンサートが行われたこと自体が奇跡でもあった。

それだけに、本演奏にかけるカラヤンの凄まじいまでの執念は、我々聴き手の肺腑を打つのに十分な迫力を有している。

1960年代や1970年代のカラヤン&ベルリン・フィルの黄金時代の演奏のような、オーケストラ演奏の極致とも言うべき圧倒的な音のドラマはもはや本演奏においては殆ど聴くことができない。

そして、カラヤン自身の統率力にも衰えが見られるなど、演奏の完成度という意味においては随所に瑕疵が散見されると言わざるを得ないが、前述のような本演奏にかける凄まじいまでの執念と、そしてキーシンという若き才能のあるピアニストを慈しむような懐の深い指揮が、本演奏をして至高の超名演たらしめているのであると考える。

テンポは極めてゆったりとしたものであるが、これはカラヤンが自らの波乱に満ちた生涯を、そしてベルリンで行った数々の演奏会を自省の気持ちを込めて振り返るような趣きもあると言えるところであり、本演奏は、カラヤンが最晩年に至って漸く到達し得た至高・至純の境地にあるとも言えるであろう。

キーシンのピアノ演奏も、カラヤンに対していささかも引けを取っておらず、卓越した技量をベースとして、強靱な打鍵から繊細な抒情に至るまで表現力の幅は桁外れに広く、いかにもキーシンならではの堂々たるピアニズムを展開していると評価したい。

併録のスクリャービンのピアノ曲も、キーシンならではの豊かな表現力が発揮された素晴らしい名演に仕上がっている。

音質は1988年のデジタル・ライヴ・レコーディングであるが、従来盤でも十分に満足できる高音質である。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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