2015年02月20日

P・ヤルヴィ&シンシナティ響のストラヴィンスキー:バレエ「春の祭典」、ニールセン:交響曲第5番


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中堅指揮者の代表格となったパーヴォ・ヤルヴィの見通しのいい指揮ぶりと、シンシナティ交響楽団の高い機能性を堪能できる1枚で、明晰な「春の祭典」もさることながら、北欧のロマンに彩られたニールセンも秀逸である。

パーヴォ・ヤルヴィは、父ネーメ・ヤルヴィ譲りの非常にレパートリーの広い指揮者であるが、近年発売されるCDの多種多様ぶりには目を見張るばかりである。

しかも、どの演奏も水準の高い名演に仕上がっており、その音楽性の高さを考慮すれば、今や父ネーメ・ヤルヴィをも凌ぐ存在となったと言えるだろう。

本盤は、ストラヴィンスキーのバレエ音楽「春の祭典」と、ニールセンの最高傑作との呼び声の高い交響曲第5番という異色のカップリングであるが、こうした点にも、パーヴォ・ヤルヴィの広範なレパートリーの一端を大いに感じることが可能だ。

演奏は、パーヴォ・ヤルヴィの豊かな音楽性を感じさせる素晴らしい名演だ。

確かに、バレエ音楽「春の祭典」で言えば、ブーレーズのようないわゆる前衛的な凄みであるとか、あるいはニールセンの交響曲第5番で言えば、ホーレンシュタインやデイヴィスのような個性的な解釈が施されているわけではない。

したがって、両曲ともに、それぞれ本盤を上回る名演がいくつもあるというのは否めない事実である。

しかしながら、両曲ともに、パーヴォ・ヤルヴィが手塩にかけて薫陶したシンシナティ交響楽団から好パフォーマンスを引き出し、オーケストラ演奏の醍醐味を満喫させてくれる点を高く評価したい。

「春の祭典」は、テラークの優秀録音と相俟って、作曲者が施したオーケストレーションの妙味が、不必要な力みを排しつつ、あますところなく再現されている。

鋭い音がぶつかり合う荒々しさや、聴き手を煽り立てる不協和音ばかりを強調する時代は終わった。

だからといって、20世紀初頭の音楽を精緻に分析するような演奏もどうかと思う。

パーヴォ・ヤルヴィはストラヴィンスキーの書いた不規則なリズムを、巧みに刻みながらスムーズな音楽に変えていく。

音の制御も見事で、オーケストラから刺激音ではなく、明るい音色と響きの分厚さや艶やかさを引き出してみせる。

「春の祭典」という扱いにくい材料を料理し、上質なサウンドに仕上げており、オケが鳴り切る醍醐味を堪能できる。

もちろん、音符の表面をなぞった軽薄な演奏にはいささかも陥っておらず、情感の豊かさ、内容の濃さが感じられるのが素晴らしく、ニールセンでは、忍びよる暗雲との激しい闘争が峻烈に描かれている。

これは、パーヴォ・ヤルヴィの類稀なる豊かな音楽性の勝利と言えるのかもしれない。

いずれにしても、演奏にはどこにも嫌味はなく、ゆったりとした気持ちで音楽に浸ることができるという意味では、本盤はかなり上位にランキングされる名演と言うこともできるだろう。

パーヴォ・ヤルヴィの確かな統率の下、シンシナティ交響楽団の好演ぶりも特筆すべきで、本演奏に華を添えている。

マルチチャンネル付きのSACDによる極上の高音質録音も、本盤の価値を高めるのに大きく貢献している。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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