2015年02月21日

パールマン&ジュリーニのブラームス:ヴァイオリン協奏曲


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本盤には、パールマンとジュリーニが、1976年に録音したブラームスのヴァイオリン協奏曲が収められている。

ブラームスならではのロマンティックで香り高いこの名曲は、ベートーヴェンやメンデルスゾーンの作品に劣らぬ人気を誇っており、ブラームスのヴァイオリン協奏曲の名盤は数多いが、このディスクは独自の光彩を放っている。

このCDは独奏者の名人芸を楽しむような演奏とは対極の演奏であり、真にブラームスを愛するファンには、曲そのもののもつ美しさを心ゆくまで堪能できる、たまらない魅力を持った演奏と言える。

素晴らしい名演だと思うが、その成功の要因は、まずはジュリーニ&シカゴ交響楽団による名演奏にあると言えよう。

ジュリーニは、イタリア人指揮者でありながら、ブラームスなど独墺系の楽曲を得意とした指揮者であるが、本盤でも、そうした実力を大いに発揮している。

ブラームスの重厚なオーケストレーションを、無理なくならすとともに、そこに、イタリア人ならではの温かみのある音色を加えた味わい深い演奏を行っていると言えるのではないか。

どの箇所をとっても、ヒューマニティ溢れる美しさに満ち溢れている。

ブラームスの他の楽曲では、こうしたアプローチが必ずしも功を奏するわけではないが、ブラームスの楽曲の中でも明るさを基調とするヴァイオリン協奏曲の場合は、こうしたジュリーニのアプローチは見事に符合する。

常々ジュリーニはゆったりとしたテンポで十分歌いつつ、巨大な伽藍のようなスケール感を持ったブラームスを聴かせてくれるが、このパールマンとの共演においてもスタンスは一向に変わっていない。

楽譜に刻まれた1音1音を真摯に読み込み、オーケストラをよく歌わせている。

シカゴ交響楽団もジュリーニの指揮の下、実に楽しげに音楽を奏でているようだ。

シカゴ交響楽団の優秀さは改めて言うまでもないが、ここではジュリーニの指揮のもと、低弦の安定した分厚い、いかにもドイツ的なサウンドをつくり上げていて見事である。

こうした骨太で安定感抜群の伴奏の下、若きパールマン(31歳)の、気迫あふれる演奏が印象的で、変幻自在の素晴らしい名技を披露している。

まさに唖然とする巧さと言うべきであるが、ジュリーニの名指揮によって、技量だけが全面に出ることなく、ロマンティックでスケールの大きなブラームスとなっていて、内容の豊かさが伴っているのも素晴らしい。

そのレパートリーなどから、やや軽く見られてしまうパールマンも、ジュリーニの要求によく応え、ブラームスの音楽への献身的な演奏を実現している。

どんな難曲でもスイスイとこなしてしまうパールマンだが、これは少し違っている。

それはまるで挑戦者のようにもの凄い意気込みで、彼の情熱がじかに感じられる数ないもののひとつだろう。

このディスクが仏ACC,ADFディスク大賞、米グラミー賞など、さまざまな栄誉に浴したことも当然の事だろう。

巨匠ジュリーニの見事なリードとサポートにより、パールマンが伸びやかに、そして緻密に聴かせる演奏は今でも同曲随一の名盤としての地位を譲っていない。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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