2015年02月28日

カラヤン&ベルリン・フィルのスメタナ&リスト:管弦楽作品集


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オペラや交響曲の大作を指揮して数々の名演を聴かせてくれたカラヤンは、また同時にオーケストラの小品を指揮しても他の追随を許さない非凡にして絶妙な演奏を披露してくれた。

本盤は、カラヤンが遺した膨大な録音の中から、「モルダウ」「高い城」「前奏曲」「ハンガリー狂詩曲」など選りすぐりの演奏を厳選して新たに編んだのがこのアルバム。

リストとスメタナの交響詩をカラヤン&ベルリン・フィルの洗練された華麗な演奏でオーケストラ演奏の醍醐味を味わうことができる。

名曲とは、優れた楽曲と演奏が一体となって聴き手に示されることが必要であり、ベルリン・フィルという世界最高峰のオーケストラを最大限に生かしてきたカラヤンの実力を、目の当たりにし、そして堪能できるのである。

有名曲を最高の演奏で提供しようとしたカラヤンの面目躍如たる録音で、高度に洗練された演奏による名曲集だ。

カラヤンという大指揮者は、収録作のような入門的名曲をずいぶんと繰り返し録音している。

録音技術の進歩に側して、その時々の若い聴衆を確実に獲得していた訳で、このあたりのマメさが「帝王」の地歩を築いたと言えるだろう。

カラヤンは、大曲であろうと、本盤に収められた小曲であろうと、どのような曲を録音するに際しても決して手抜きをしなかった。

過去の巨匠では、決して小曲をおろそかにしたのではなかろうが、本盤のような小曲集を録音をする指揮者は少数であったこともあり、カラヤンの小曲集の質の高さは群を抜いている(アンチ・カラヤン派からは、それをセールスマンとして批判するのだろうが)。

こうした小品にこそ、演奏者の音楽的力量は如実に現れるものだが、カラヤン&ベルリンフィルのコンビはさすがと言うしかない。

音楽はこのように美しくなければと思わせる名演揃いで、いずれも楽曲の性格を見事にすくい取っていて、全く自然な流れとなっている。

正統性だとか精神性だとかを考えたときに、カラヤンの演奏は賛否両論であるが、純粋に管弦楽の美しさを追い求めるのなら、カラヤンとベルリン・フィルの演奏はまったく文句のつけようがない。

本盤の出来も見事というほかはなく、カラヤンの魅力がストレートに伝わってきて、難しいことを考えずに、オーケストラの華麗な響きに身を委ねられる、まさに完璧な戦略的音楽商品。

特に、名演は「高い城(ヴィシェラフト)」。

チェコ出身の指揮者が行うチェコへの愛着を主体とした演奏とは異なるが、重心の低いベルリン・フィルを統率して、重厚にして壮大な珠玉の名演を成し遂げている。

「モルダウ」は、1980年代の最後の録音の方が味わい深く、そちらの方に軍配をあげたいが、それも高い次元での比較であり、本盤の演奏も名演と評価するのにやぶさかではない。

「前奏曲」は、1980年代にも再録音しているが、統率力においてやや陰りがみられることもあり、本盤の方に軍配をあげたい。

おそらくは、フルトヴェングラーの名演と並んで、同曲の最高の名演と評価したい。

リストの他の2曲もカラヤンならではの名演ぞろいであり、いずれも極め付きの名演が、聴く者に至福のひとときをもたらしてくれる。

こういう演奏を聴くと、カラヤン一流の美学が実は繊細なデリカシーに裏打ちされていることがわかる。

表向きの深みには欠けるのだろうが、個人的には、押し付けがましい精神性のようなものは却って邪魔で、さらっと流れても実は細部まで行き届いた演奏の中にこそ、音楽そのものから立ち現れる精神の深みが感じられてよい。

これはそのよい見本と言えるところであり、本盤は、小曲においても惜しみなく全力を尽くしたカラヤンの至芸を味わうことができる名演集と言うことが出来よう。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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