2016年04月09日

ベルグルンド&ヘルシンキ・フィルのシベリウス:交響曲全集


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シベリウスの楽譜の校訂もしているベルグルンドはシベリウスの交響曲全集を3度にわたって録音しているが、衆目の一致するところ、2度目のヘルシンキ・フィルとのものが最高傑作であると言えるだろう。

1度目の全集のパートナーだったボーンマス交響楽団よりもヘルシンキ・フィルはシベリウスを奏でる楽器として理想的。

3度目のヨーロッパ室内管弦楽団は編成が小さいだけに、曲によって向き不向きがあり、全集としてのヘルシンキ盤が最も優れていると思う。

そればかりか、古今のシベリウスの交響曲全集の中でもトップを争う名演だと評価したい。

特にその中でも「第1」「第2」「第6」は、いずれも北欧的な抒情とフィンランドの民族的な力強さを兼ね備えた超名演である。

「第1」は、ベルグルンドのシベリウス解釈に見事に符合する楽曲であり、どこをとっても熱い燃えるような民族的な高揚と清涼感溢れる抒情という、ある意味では二律相反する要素を併せ持つという至芸をいとも簡単に成し遂げている。

これは、ベルグルンド&ヘルシンキ・フィルのシベリウスへの敬愛と深い理解の賜物であろう。

ベルグルンドはシベリウスの「第2」を3度にわたりスタジオ録音しているが、ベストの演奏は、やはり本盤のヘルシンキ・フィルを指揮したものだと思う。

第1楽章など、シベリウスの演奏様式としては禁じ手とも言うべき緩急自在の思い切ったテンポ設定を行っているが、決してやり過ぎの感じがしないのは、ベルグルンドがシベリウスの本質をしっかりと捉えきっているからに他ならない。

第2楽章は、おそらくは史上最速と言ってもいいくらいの快速のピツィカートで開始されるが、かのバーンスタインの新盤のような大仰なテンポ設定と比べると、はるかにしっくりくる。

中間部の金管楽器の鋭さや北欧風の清涼感溢れる抒情、沈み込むような低弦の響きなど最高だ。

第3楽章から第4楽章にかけては、あまり踏み外しはないが、終結部の圧倒的な高揚感は、さすがはベルグルンドである。

「第6」は、冒頭の繊細なヴァイオリンの演奏からして、身も心も洗われるような北欧を吹く一陣の清涼感溢れる風に触れるようだ。

どこをとっても、世の中にこれほど美しい音楽があるのだろうかと思わせるほどの天国的な美しさに満ち溢れている。

もちろん、第3楽章の終結部など、シベリウスの内面に秘めた情念のような力強さにもいささかの不足はない。

「第6」のおそらくはベストを争う名演と言っても過言ではないだろう。

その他もベルグルンドの厳格な指揮のもと鳴り響く音楽は、感情表現の手段としてではなく、シベリウスが見ていた、あるいは頭の中に思い描いた情景や心象風景として存在するように聴こえる。

いずれも北欧風の抒情を活かした名演で、聴かせどころのツボはしっかりと心得ており、ベルグルンド&ヘルシンキ・フィルに内在する祖国愛に満ち溢れた至高の名演集と評価したい。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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