2015年03月01日
ブレインのR.シュトラウス&ヒンデミット:ホルン協奏曲集
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モーツァルトと並ぶ名作と言われているR.シュトラウスのホルン協奏曲集などを収録した、稀代のホルン奏者デニス・ブレインの不世出の才能を伝える不滅の名盤。
今でも伝説的なホルン奏者として絶大な人気を得ているデニス・ブレインのホルン奏者としては冥利に尽きる演目を収めたアルバムである。
名作だが難曲で知られる2曲のR.シュトラウス、そして作曲者との共演となったヒンデミット、{伝説}を裏づける美演だ。
デニス・ブレインのホルンは実に素晴らしい。
朗々として雄大なスケール感のある音色、そして低音の重厚さ、弱音の繊細さ、ホルンという楽器が紡ぎだす音色をすべて兼ね備えている。
あわせて、桁はずれのテクニック。
まさにデニス・ブレインひとりでホルンをソロ楽器として認知させたと言っても良く、デニス・ブレインこそは、史上最高の不世出のホルン奏者と言えるだろう。
モーツァルトもバッハも、ホルンの楽器の特性を考えたうえで作曲をしているが、ということはつまり、この楽器を演奏上の限界あるものとしているという事。
デニス・ブレインのホルンの技巧の真の姿を聴く為には、このディスクに収められたホルンの難曲を聞く必要があるだろう。
残念ながら現代の水準からいうと、驚くほどの名手とは聴こえないかもしれないが、その代わりに、最近のホルニストに無い高雅な品格を見出すことに喜びと深い満足感を得ることができる。
デニス・ブレインの演奏の特色は、一瞬の隙も残さない極めて精緻な表現でありながら、それでいて明るく屈託の無い開放的な音色にある。
R.シュトラウスのホルン協奏曲は、モーツァルトのそれと並んでホルン協奏曲史上の名作だと思うが、それにしてはCDに恵まれていない。
その意味でも、このデニス・ブレイン盤は、R.シュトラウスのホルン協奏曲史上最高の名演と評価すべきであると思う。
高音の美しさ、見事なレガート奏法、スタッカートの小気味よさといった各種表現に冴えをみせるブレインが、輝かしく意気軒昂な第1番、しっとりとした巧みな語り口をみせる第2番で自身の実力を遺憾なく発揮している。
若き日のサヴァリッシュのサポートも几帳面に曲の性格を捉えたなかなかのものだ。
同様にヒンデミットの作品も素晴らしい出来映えだ。
ヒンデミットのホルン協奏曲は、デニス・ブレインのために作曲された曲であるが、逆に言えば、デニス・ブレインにしか表現できない要素を持った難曲ということができるだろう。
表情の起伏の激しいいかにも現代曲と言った趣きであるが、デニス・ブレインの超絶的な技巧と表現力が相俟って、同曲がヒンデミットの傑作であることがよくわかる。
デニス・ブレインにしては珍しいステレオ録音というのも嬉しい限りだ。
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