2015年05月20日

ブーレーズのバルトーク:協奏曲集


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



益々その活動に輝きが増す生ける伝説、20世紀音楽の巨人ブーレーズによるバルトーク協奏曲プロジェクトの最終章。

クレーメル、バシュメット、エマール、名実共に現代最高のソリスト達、世界トップのオーケストラ、ベルリン・フィル、ロンドン響を従え、鉄壁の布陣で臨んだ演奏。

本盤には遺作となったヴィオラ協奏曲及びヴァイオリン協奏曲第1番を軸として、2台のピアノ、打楽器と管弦楽のための協奏曲のオーケストラバージョンが収められている。

名演であると考えるが、とりわけヴィオラ協奏曲については素晴らしい超名演であると高く評価したい。

それどころか、ヴィオラ協奏曲には競合する目ぼしい名演が殆ど見当たらないことから、本演奏の登場によって漸く同曲の真価がそのベールを脱いだと言っても過言ではあるまい。

それにしても、本演奏におけるバシュメットのヴィオラ演奏は圧倒的だ。

変幻自在のテンポ設定や思い切った強弱の変化など、実に多彩な表現を見せており、その桁外れの表現力の幅の広さは圧巻というほかはない。

同曲は、バルトークの最晩年の作品だけに、その内容の深遠な奥深さには尋常ならざるものがあると言えるが、バシュメットの多彩な表現力を駆使した彫りの深い演奏は、まさに同曲の心眼を鋭く抉り出していくに足る凄みさえ感じさせるところであり、我々聴き手の肺腑を打つのに十分である。

ベルリン・フィルの卓越した技量をベースにした名演奏も、本名演に大きく貢献しているのを忘れてはならない。

ヴァイオリン協奏曲第1番は、クレーメルの超絶的な技量をベースにしたいささかも歌わない冷徹とも言える表現が同曲の性格に見事に符号している。

バルトークの楽曲に特有の、ハンガリー風の民族色の表現にはいささか不足しているとは言えるが、同曲を純粋な現代音楽として捉えると、かかるクレーメルのアプローチにも十分な説得力があり、何らの遜色があるわけではないと考えられる。

また、本演奏でもベルリン・フィルの圧倒的な名演奏は健在だ。

さらに、本盤には2台のピアノ、打楽器と管弦楽のための協奏曲が収められているが、これはオーケストラバージョンとしての作品の出来としてはいささか問題がある。

もっとも、ピアノや打楽器パートについては見事な書法であり、純粋なソナタとしては傑作の名に値する楽曲であると言えるであろう。

これをエマールなどの豪華ソリストがこれ以上は求め得ないような名演奏を繰り広げているのが素晴らしい。

音質は、2004年及び2008年の録音ということもあって鮮明で素晴らしいものであると言えるが、とりわけヴィオラ協奏曲については同曲演奏史上でもトップの座に君臨する超名演であることもあり、今後はSHM−CD化、そして可能であればシングルレイヤーによるSACD&SHM−CD化を図るなど、更なる高音質化を大いに望んでおきたいと考える。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 22:42コメント(0)トラックバック(0)バルトーク | ブーレーズ 

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ