2015年03月07日

ライナー&シカゴ響のベートーヴェン:交響曲第6番「田園」[XRCD]


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本盤の売りは、全盛期のシカゴ交響楽団の超絶的な技量とXRCDによる極上の高音質録音である。

シカゴ交響楽団と言えば、ショルティの時代におけるスーパー軍団ぶりが記憶に新しいところだ。

このコンビによる初録音となったマーラーの交響曲第5番を聴けばよくわかるが、ショルティがシカゴ交響楽団の音楽監督に就任して間もない時期の録音であるにもかかわらず、一切のミスをしない鉄壁のアンサンブルや、各管楽セクションの超絶的な技量、そして金管楽器の大音量に度肝を抜かれたものであった。

ハーセスやクレヴェンジャーなどのスタープレイヤーが揃っていたこともあるが、それ以上にショルティの薫陶にも多大なものがあったと言えるのではないだろうか。

ただ、ショルティがかかるスーパー軍団を一から作り上げたというわけでなく、シカゴ交響楽団に既にそのような素地が出来上がっていたと言うべきであろう。

そして、その素地を作っていたのは、紛れもなくライナーであると考えられる。

それは、本盤に収められたベートーヴェンの「田園」の演奏を聴くとよくわかるはずだ。

オーケストラのアンサンブルの鉄壁さは言うに及ばず、金管楽器や木管楽器の力量も卓越したものがあり、ここぞという時の迫力(とりわけ第4楽章)も圧倒的である。

もっとも、ショルティ時代よりも演奏全体に艶やかさがあると言えるところであり、音楽性という意味では先輩ライナーの方に一日の長があると言えるだろう。

こうしたライナー指揮によるシカゴ交響楽団による素晴らしい演奏を完璧に捉えきったXRCDによる極上の高音質録音も素晴らしい。

さすがXRCDというべき解像度の高さで、よくもこれだけの音を半世紀も昔の録音から引き出し得たと思う。

低音域の迫力や高音域の伸び、なかんずく中音域の厚みなど、惚れ惚れするほどの超高音質である。

特に弦楽合奏の艶やかな響きには抗し難い魅力があり、とても今から50年以上前の録音とは思えないような鮮明さを誇っている。

改めて、XRCDの潜在能力の高さを思い知った次第だ。

以上は、本XRCD盤の長所について指摘したが、演奏自体は必ずしも深みのあるものではなく、その意味ではスコアに記された音符の表層を取り繕っただけの速めのテンポによる薄味ないささか外面的な演奏と酷評する聴き手も多いとも思われる。

もっとも、筆者としては、外面的な効果がより一層際立った第5番よりはかかるアプローチも比較的成功しているのではないかと考えており、前述のようなXRCDによる極上の高音質を加味すれば、本盤全体としては文句のつけようがない水準に達していると高く評価したいと考える。

ドラティやライナーといった欧州生まれでアメリカに渡り、当地のオーケストラを育て上げた指揮者を、我々は誤解していないだろうか。

彼らの音楽イコール・ステレオと思い込んでいる。

欧州系のモノ・プレスで聴けば、それまでオーディオファイルという化粧で見えなかった素顔を見る事が初めて出来る。

彼らも素の所ではしっかりした音楽を作っていた。

それが解らなかったのは単に売り手の思惑があっただけ。

改めて素顔を聴けばライナーもミュンシュに劣らず真面目な指揮者だった。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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