2015年07月03日

ブロムシュテット&シュターツカペレ・ドレスデンのブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。

 

ブロムシュテット&シュターツカペレ・ドレスデンによるブルックナーの交響曲の録音は、何故か「第4」と「第7」にとどまったが、いずれも名演だ。

旧東ドイツの名門オーケストラと新しい世代のドイツ系指揮者ががっぷり組み、精緻さと質感を十二分に備えたこのコンビならではの素晴らしい構築あふれる名演である。

影響力の大きい某評論家は、ブルックナーの「第4」には冗長な箇所が多いので、あまり味付けをせずにインテンポで演奏してしまうと、のっぺりとした味気のない薄味の演奏になるとして、特に、ベーム&ウィーン・フィルの名演を酷評している。

そして、ヴァントや朝比奈の最晩年の名演を絶賛している。

確かに、ヴァントや朝比奈の最晩年の演奏はいずれも、ブルックナー演奏史上に冠たる至高の名演だ。

そのことを否定するものではないが、しかしながら、ヴァントや朝比奈の演奏だけが正しいわけではない。

ベーム&ウィーン・フィルのような、ある意味では、愚直な演奏も、同曲の魅力を知らしめるに足る素晴らしい名演と評価してもいいのではないか。

本盤も、アプローチの仕方はベームにきわめて近い。

比較的ゆったりとしたインテンポで、愚直に曲想を描いていくというものであるが、ベーム盤と同様に、オーケストラの音色の魅力が素晴らしい。

ベーム盤では、ウィーン・フィルの極上の響きが演奏に潤いとコクを与えていたが、本ブロムシュテット盤も決して負けていない。

シュターツカペレ・ドレスデンのいぶし銀の音色は、演奏に重心の低い渋みと内容の濃さをもたらしている。

ブロムシュテット時代のこの楽団は、彼らのひとつのピークを示したと言えるところであり、この演奏も比類なく精緻であり、威容と叙情を兼ね備えている。

アンサンブルそれ自体が自発的に有機的な音楽を歌っているが、指揮者も豊かな感興で音楽を起伏させている。

すこぶる格調高いブルックナーであり、精緻な構図の中ですべてが自然体でまとめ上げられ、味わいとこくに満ちた世界が展開している。

豊かな叙情を第一の特色とした演奏と言って良いと思うが、同時に金管のフォルティッシモも実に重厚で強烈、この交響曲の魅力を過不足なく引き出す要因となっている。

加えてテンポ設定にも説得力があり、全曲を通じきわめて適確な曲運びを示し、最良の意味での普遍的な演奏と評するべきか。

オーケストラの美しい響きとブロムシュテットの棒の精彩とが、高次元で合体している印象が素晴らしい。

このコンビのブルックナーでは「第4」と「第7」の録音のみ残されているが、このレベルでぜひ「第8」と「第9」も録音して欲しかった。

こうした自然体のブルックナーは、探してみるとその実なかなか見当たらない。

そして、何といっても素晴らしいのは、ペーター・ダムのホルンであろう。

当時のドイツにおけるザイフェルトと並ぶ2大ホルン奏者であるが、ダムの深みのあるホルンの音色を聴くだけでも、一聴の価値がある。

音質は今回のBlu-spec-CD化によって、長年の渇きが漸く癒されたと言えるところであり、さすがにSACDにはかなわないが、従来盤と比較すると鮮明さが相当に増しており、本演奏の価値は大いに高まったと考える。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 22:49コメント(0)トラックバック(0)ブルックナー | ブロムシュテット 

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ