2015年03月13日

ノリントン&シュトゥットガルト放送響のハイドン:ロンドン交響曲集(全12曲)


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ノリントンならではの個性的な名演だ。

手兵のシュトゥットガルト放送交響楽団を指揮しているが、ハイドンが作曲時に想定した40名程度という、かなり人数を絞った編成で演奏しており、いわゆる古楽器奏法を旨としている。

しかしながら、そこはさすがはノリントン。

四角四面の学術的な演奏には陥らず、緩急自在のテンポを駆使して、奔放とも言うべき変幻自在の演奏を行っている。

そこには、いささかのあざとさは感じられず、高踏的な芸術性を失うことがない点を高く評価したい。

持ち前の「ピュア・トーン」を武器につぎつぎと作品のイメージを一新し、とりわけベートーヴェンやモーツァルトといった古典派の作品で最高の成果を収めてきた当コンビによるハイドンとくれば、そもそも相性は悪かろうはずがない。

全て拍手入りのライヴ録音とは思えぬ程、精緻で活力溢れるパフォーマンスが展開されている。

痩せて鋭くどこまでも真っ直ぐな気持ちの良い弦楽、カラフルでモダンな木管、派手に爆発する金管と、ハイドンのオーケストレーションの豊かさ美しさが明快な録音で存分に味わえる。

フレージングはより徹底され、音を割ったブラスやケトル・ドラムも意表を突くというよりむしろ必然とさえ思えるほど自然で効果満点、フレッシュでエレガント、あたたかなぬくもりと、何より音楽の喜びと楽しさを授けてくれる。

いずれも名演であるが、印象的な楽曲をいくつか掲げると、先ずは第94番の第2楽章の超快速テンポ。

本来は打楽器による最強奏が驚愕であるが、ノリントンの演奏ではこの超快速テンポが驚愕だ。

第101番の第2楽章のいわゆる時計の超快速テンポ。

これは、クラシカルなぼんぼん時計ではなく、現代のアラーム時計とも言える面白さ。

第103番の冒頭のいわゆる太鼓連打のド迫力は、我々の度肝を抜くのに十分だ。

そして、何よりも名演は第104番。

特に、第1楽章の威風堂々たる楽曲の進め方は、ハイドンの最高傑作にふさわしい威容を兼ね備えている。

第2楽章の快速テンポや思い切ったゲネラルパウゼの活用は、第1楽章との見事な対比もあって最高の面白さであるし、終楽章の中庸のテンポによる確かな歩みも、全曲を締めくくるのに相応しい素晴らしさだ。

特に、フィナーレの最後、弦が主題を強奏する上で鳴り響くトランペットのファンファーレ(ブルックナー的とも言える)を、ノリントンほど目立たせて鳴らした例はCDではほとんどないのではないか。

盛り上げるところは盛り上げ、流すところはあっさり流す、その自在さは聴いていて癖になってしまう。

ピリオド奏法を取り入れたモダン・オケでのハイドン演奏として1つの完成形を示している。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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