2015年09月03日

カラヤンのレハール:喜歌劇「メリー・ウィドウ」


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とある影響力の大きい某評論家によって不当に貶められている演奏であるが、筆者としては、「メリー・ウィドウ」史上最高の名演と高く評価したい。

甘美な旋律を歌わせながら、豊かな表現力で生き生きと描きあげた「メリー・ウィドウ」は、魅力たっぷりで、カラヤンならではの精緻で磨き抜かれた華麗な演奏を堪能できる。

名演となった要因の第一は、やはりカラヤン&ベルリン・フィルの雰囲気満点の名演奏ということになるであろう。

歌手たちの歌いっぷりと合わせて実に堂々としていて、それでいて優美で愉悦感もあって、圧倒的に素晴らしい。

特に、第2楽章のワルツや第2楽章と第3楽章の間にある間奏曲の美しさは、ライバルであるマタチッチ盤やガーディナー盤など全く問題にならないほどの極上の美演である。

これ以外にも、随所に見られる詩情溢れる抒情豊かな旋律の歌い方も完全無欠の美しさであり、ここぞという時の力強い表現も見事の一言である。

ただ管弦楽のベルリン・フィルが個性が強すぎるのか、よりコンサート的な演奏になっている感じがするのは否めない。

歌手陣も、いかにもカラヤン盤ならではの豪華さで、全く隙を感じない絶妙な配役である。

その扇の要にいるのはダニロ役のルネ・コロということになるが、ハンナに対する心境の微妙な移ろいを絶妙の歌唱で巧みに表現しているのはさずがという他はない。

また、ハンナ役のハーウッド、ヴァランシエンヌ役のストラータス、ツェータ男爵役のケレメン、そしてカミーユ役のホルヴェークも最高のパフォーマンスを示しており、これらの五重唱の極上の美しさにはただただため息をつくのみ。

カラヤンの演奏の巧さは言うまでもないが、この録音の特徴は色々な意味で純然たるスタジオ録音のオペレッタという点にある。

巨大なスケールの演奏で、すでにこのオペレッタに馴染んでいる人には少々違和感があるかも知れない。

だが、ベルリン・フィルの途轍もない美音とルネ・コロの名唱の前に、すぐそんなことは忘れてしまう。

第2幕の二重唱「すべてパリ風に」で低弦が猛烈なアタックをかけてくるところはまさに震えがくるような、足元がポッカリ空いたような浮遊感に、カラヤンが構築した美の空間にスッポリとはまってしまった。

20世紀の開幕期に発表されたこの作品、あるいはこのどこか未来的、人工的で、どこまでも続くかのような広がりを感じさせる演奏は、意外と曲の本質を突いているのかも知れない。

ちなみにカラヤンはウィーン・フィルとJ.シュトラウス「こうもり」を、DECCA及びライヴでの音源が残しているが、その演奏と比べると、はるかに引き締まった演奏を展開している。

随所にオーストリア出身の独特な個性を感じるのは、フィルハーモニア管と録音したJ.シュトラウス「こうもり」同様である。

これを聴くと、カラヤンがベルリン・フィルと「こうもり」をDGに録音しなかったのが極めて残念でならない。

録音は、通常盤でもなかなかの高音質である。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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