2015年03月11日

ベーム&ウィーン・フィルのモーツァルト:クラリネット協奏曲、オーボエ協奏曲、ファゴット協奏曲


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ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の名奏者達を揃え、指揮者カール・ベームがモーツァルトの豊かな音楽性を奏でる名録音盤。

モーツァルトの管楽器による協奏曲では、最近ではほとんど聴かれなくなった重厚さと高貴な優美さを兼ね備えた珠玉の名演である。

ああいい時代だなあ、という感慨がひとしおのアルバムで、ベーム&ウィーン・フィル、そしてウィーン・フィルの管楽器のトップたちによる管楽器の協奏曲のアルバムは、いつ聴いても幸せな気分にさせられてしまう。

ここには全盛を極めたベーム&ウィーン・フィルのモーツァルト・サウンドが目一杯つまっている。

ここでも、包みこんでくれるようなベームのバック・アップで、幸せな管楽器の歌が聴ける。

ベーム&ウィーン・フィルのバックは落ち着いた安定感があり、個人の名人芸ではなく各楽器の特性を最良なかたちで引き立たせているように感じる。

奇抜なことをしない分、音楽への寄り添い方が丁寧というか、音楽そのものに近いところにあり、余分なものもないし、足りないものもなく、だからこそ飽きがこない。

録音は1972〜73年というベームの最後の全盛期であり、その指揮は、モーツァルトを得意としたベームならではの厳しい造型の中にあっても柔軟性のある自然体のものであり、ウィーン・フィルも絶美の演奏を行っている。

ベームは容貌もいかめしいがその音楽も極めて厳格であり、モーツァルトの手による愉悦の音楽に取り組むときもその姿勢はいささかも傾かない。

完璧に制御されたテンポと音量バランス、そして生真面目な解釈で正面から楽譜に立ち向かう。

そして、何よりも、当時のウィーン・フィルの名うてのプレーヤーの極上の演奏が、これらの名演により一層の華を添える結果になっている。

プリンツやトレチェクはいかにもウィーンならではのクラリネット、オーボエだと思うし、ツェーマンの野太いファゴットもどこか温かみがあって実に感動的であり、いずれも伸び伸びと典雅で快活な曲想を表現している。

独奏の名演もさることながら、それを支えるウィーン・フィルの管楽器群の麗しさやベームのとるテンポの見事なこと。

これはまさにウィーンでしか出せない響きであり、このような演奏はもうできないのではないだろうか。

このディスク中白眉は何と言ってもクラリネット協奏曲であろう。

モーツァルトが最晩年に書いた傑作であり、優しく透明な旋律の中に静かな諦念と哀愁のたゆたう、稀有に複雑な表情を持った作品である。

ベームは繰り返される牧歌的な旋律を慈しむようにゆったりとしたテンポを取る。

ベームが敷いた最高級の絨毯の上で踊るのは往年の名手プリンツ。

クラリネットという楽器の最も澄み切った音色だけを慎重に選んだかのようなケレン味のない演奏は、この優しい音楽に限りなく相応しい。

なお、ベームらしくカッチリとした構築感が魅力的なオーボエ協奏曲とファゴット協奏曲もなかなか素敵だ。

これを聴いていると未曾有の不況も忘れ去り、自然に顔もほころんでくるかのようで、木管はやはりウィーン・フィルだ。

録音も素晴らしく、この3曲の最高の名演の1つと言っても過言ではないだろう。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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