2015年03月13日

スクロヴァチェフスキ&読売日響のブルックナー:交響曲第8番&第9番 [Blu-ray]


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世界的にブルックナー指揮者として高い評価を得ている“ミスターS”ことスクロヴァチェフスキの魅力を堪能できる1枚。

本盤に収められたブルックナーの後期作品は、大曲ゆえに映像タイトルがあまり多くなく、カラヤンとブーレーズのウィーン・フィルとの録音盤(DVD)以降、長らく新タイトルの登場を待ち望んでいた作品であるが、そんな長年の「渇望」を一気に癒してくれたのがこのBlu-ray名盤であった。

まずはライヴ盤だけに演奏に多少のキズはあるものの、日本のオケがここまで完成度の高いブルックナーを披露したことに賞賛を贈りたい。

スクロヴァチェフスキの年齢を考えれば、間違いなく貴重な記録となる作品であるが、それだけにとどまらず、演奏自体も十二分に聴き応えがある。

今や、ドイツものの重厚なシンフォニーに限って言えば、読売日本交響楽団が日本のトップと言って良いかもしれないと思ったほどである。

まさか日本のオケがここまで完璧にブルックナーの神髄に迫る演奏を聴かせてくれるとは、まったく想像すらできなかった。

しかも、録り直しなしの「一発ライヴ録音」でこの演奏水準を出せたということが二重の驚きだ。

日本のオケの演奏技術が向上したというのもあるのだろうが、綿密なリハーサルの積み重ねと共に、指揮者スクロヴァチェフスキの統率力、即ちタクトの力が大きいのであろう。

音響の諸相を明晰に、魔境を鮮烈に「映し出す」驚異の職人芸、あくなき芸術的探究心と覇気を掲げた老匠の指揮に、懸命に応えるオーケストラ。

マエストロの至芸、渾身の演奏、スケール感という、いつもの褒め言葉で事足りるブルックナーではない。

指揮者の精緻な「こだわり」が生きた、壮絶かつ豊穣な音楽づくりであり、ライヴの凄み、ここに極まる、と評したい。

ここに聴く、観るブルックナーは、いずれも音の巨大な塊が押し寄せてくる、モノクロームのブルックナーではなく、巨匠がこれまでの歩みを振り返り、感慨にふけった演奏でもない。

ここぞという場面での、剛毅さ、決然とした運び、創りに驚き、響きの美しき綾に酔いしれる。

そんなスクロヴァチェフスキの秘技をも、カメラは捉えた。

マエストロの好きな言葉「音楽の律動」を目の当たりにすることも出来る、画期的なライヴ映像の誕生だ。

ザールブリュッケン放送交響楽団とのスタジオ録音も良い演奏であったが、今回の演奏はそれを技術と音の美しさで凌ぐ名演中の名演である。

  
加えてBlu-rayならではの映像の美しさ、さらに、奏者を的確に捉える画面構成と、指揮者の解釈をも映像に反映した映像チームの力量は、NHKの番組をも凌駕するものと言えるだろう。

ぜひ来日オケや、サイトウ・キネンなどもこのチームに作って欲しいと願ってしまう。

また、5.1chサラウンドの効果も目覚ましいものがあり、響きも楽しく、がっしりとした低弦群の土台の上に、美しい中高弦楽器群と管楽器のサウンドが重なり、えも言われぬ美しい音の「ピラミッド」が形成される。

演奏時は違和感なく演奏に集中でき、カーテンコールではより臨場感を持って体感することが出来た。

スクロヴァチェフスキが80歳半ばを過ぎてなお、その指揮芸術がますます深化していることを十二分に窺い知ることが可能であると言えるところだ。

また、大曲2曲で1枚ということを考えれば、価格も良心的と言って良いと思う。

スクロヴァチェフスキには、今後とも出来るだけ長生きしていただいて、ブルックナーの交響曲をできるだけ多く演奏・録音して欲しいと思っているクラシック音楽ファンは筆者だけではあるまい。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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