2015年04月07日

セル&クリーヴランド管のR.シュトラウス


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管弦楽の魔術師R.シュトラウスの傑作を集めたアルバムで、セルは若い頃R.シュトラウスに可愛がられ、演奏会にも積極的にR.シュトラウスの作品を取り上げ、広く紹介した指揮者である。

ロマン主義から現代音楽への橋渡しをした存在とも言われるR.シュトラウスは、若き日のセルの才能を見出し、指揮者としての活動に導いた存在でもある。

セルは生前にR.シュトラウス本人からの薫陶を受けた数少ない指揮者で、作曲者との親交に裏付けられた説得力にあふれる演奏が手兵・クリーヴランド管弦楽団のもと、縦横に展開されている。

セルは、モーツァルトやハイドンの演奏で評価の高い指揮者であったが、このR.シュトラウスでは、彼の楽器だったクリーヴランド管弦楽団の名手の演奏も相俟って素晴らしく引き締まった演奏を聴かせる。

クリーヴランド管弦楽団は、セルが首席指揮者として君臨していた時代には、「セルの楽器」と評価されるほどの精緻なアンサンブルを誇ったが、本盤を聴くとそれがよくわかる。

良い意味での冷たさがあり、洗練されたシンフォニックな表現は、オーケストラ音楽の楽しみを十二分に味わわせてくれる。

同じく、R.シュトラウスを得意としたベームやカラヤン、ケンペとは異なるすっきりとした魅力があるところなど、この巨匠ならではの芸格と言うべきだろう。

先ずは、「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」を掲げたい。

セルの圧倒的な統率力の下、クリーヴランド管弦楽団をまるで手足のように操り、超凝縮型の圧倒的な名演を成し遂げている。

R.シュトラウスのオーケストレーションは、同曲でも複雑さを極めるが、それをあたかも顕微鏡で解剖するかの如く、精緻に表現していく様は圧巻という他はない。

セルは、あまり濃密な表現はもちこまないが、細部まで配慮の行き届いた的確な表現によって、生き生きと爽やかな緊張感ともって音楽を運んでおり、作品の洒落た味わいをすっきりと打ち出している。

セルの「ティル」は、肥大化する無意識の衝動に動かされた悪戯者ではなく、最初っから計算づくのインテリ政治犯のようで、ユニークである。

次に、「ドン・キホーテ」を掲げたい。

セルのアプローチは、全体が的確に見極められており、どこか1ヶ所だけが突出してしまうようなところがなく、バランスが良いので、総合的にみて、この曲を知る上では格好の名演と言えよう。

施された表情は、いずれもよく吟味されており、過不足なく多彩で、洗練されている。

ここでのチェロのフルニエは垢抜けしており、決して気品を失わない独奏は見事であり、全体のなかに無理なく溶け込んでいる。

そうした名独奏を十分に曲想生かしつつに、セルは、手兵のクリーヴランド管弦楽団を自在にドライブして、各変奏を巧みに描き分けている。

オケの優れた能力をフルに発揮させながら、各変奏を隙なく描き上げていく手腕は、実に見事だ。

これら両曲に対して、「死と変容」は、やや力づくの箇所がないわけでもなく、セルの本領が発揮したとは言えない点が散見され、いささか残念な演奏に終わっている。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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