2015年03月20日

フルトヴェングラー&ベルリン・フィルのブラームス:交響曲第3番、シューベルト:交響曲第8番「未完成」


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



いずれも鮮烈な名演だ。

ブラームスの「第3」は1954年4月27日、ベルリンのディタニア・パラストに於ける定期公演の実況盤であるが、音の状態は非常に良く、演奏も死の年のものだけに完璧をきわめ、フルトヴェングラーのディスクの中でも屈指の名盤と言えよう。

この「第3」は旧盤も素晴らしかった。

わけても第1楽章の情熱はむしろ古いほうを採りたいくらいであるが、第2楽章以下は録音の良さも含めて、完成されきった新盤に軍配を挙げるのが妥当であろう。

ただし、解釈の根本はまったく同じである。

とにかく大胆なアゴーギクによって情熱的で共感の限りを表明しており、彫りの深い表情には創造的な芸術性の力が漲っている。

第1楽章は冒頭から緊迫した生命力が湧き出しており、ティンパニの最強打が目立つほかは、旧盤の表現をいっそう凝縮させたものだ。

今回は提示部の反復も行われていない。

第2楽章は録音の鮮明さによって、楽器の音色そのものに心がにじみ出ていることが手に取るようにわかる。

相変わらずテンポの動きの大きい、むせるような歌に満ちたブラームスであるが、旧盤よりは遥かに結晶化されているようである。

第3楽章も音色自体に心がこもりきっており、それが後半、あふれんばかりにほとばしり出て来て、“音楽は心だ”と改めて思い知らされるような表現である。

ただし、第1主題のリズムは旧盤よりも格調があるとはいえ、再現部のホルンには若干崩れが見られる。

第4楽章は旧盤の造型をそのままに立派さを加えた超名演で、疑いもなく全曲の白眉と言えよう。

最晩年のフルトヴェングラーとしては、テンポの激しい動きと表情の凄まじさはその比を見ないほどであるが、ほとんど同じスタイルによる旧盤でいちばん不出来だったこの楽章が、新盤では最上の出来となったところに、フルトヴェングラーの芸術の完成をわれわれは知るのである。

わけても提示部、再現部のそれぞれ終わりの部分における追い込みで、オケの鳴りが少しも悪くならないこと、旧盤では随所に追加されたティンパニを一切使用していないこと、の2点に注目すべきである。

フルトヴェングラーが録音した5つの「未完成」の中で、いちばんすっきりしているのはウィーン盤であり、次いではこの1952年盤である。

解釈の基本は1回目のベルリン盤とまったく同一であり、それを円熟させた表現と言えるところであるが、厳しくも凝縮されたリズムとひびきが際立ち、入魂の演奏が随所に聴かれる。

無駄と虚飾のない秀演で、第1楽章は雄大なスケールをもち、旋律の表情が意外なほど素直に磨かれている。

第2楽章第2主題を吹くクラリネットの、思いをたっぷりと込めた哀しみのソロと、それに応える最弱音も印象的だ。

2曲ともフルトヴェングラーとしても屈指の優れた演奏だけに今後SACD化するなど、更なる音質の向上が望まれる。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 00:48コメント(0)トラックバック(0)フルトヴェングラー | ブラームス 

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ