2015年07月27日

ニューイヤー・コンサート・ライヴ 1987


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ニューイヤー・コンサートが最も輝いた時(1987年1月1日)の歴史的なライヴ録音である。

惜しくも、たった1度しか実現しなかったカラヤン指揮ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートのライヴ録音が音源だ。

思えば今から四半世紀以上前のものだが、おそらく歴代ニューイヤー・コンサートの録音の中でも随一の出来だと思われる。

これは、ウィーン・フィルの楽団長が、最も思い出に残るニューイヤー・コンサートとして、この演奏会をあげていたことでも分かる通り、カラヤンの下、ウィーン・フィルが溢れんばかりの美音を提供し、カラヤンの意図を十全に汲み出していて、オーケストラとしても会心の演奏と言える。

1曲目、「こうもり」序曲の冒頭を聴いただけで、他の演奏との格の違いが実感される。

しかも、ニューイヤーというと、毎年曲が変わるので、どうしても初めて聴くような、あえて繰り返し聴かなくても……という曲が混じってしまうのだが、ここでは曲目を見て頂ければ分かるように、1曲残らず名曲がきら星のごとく並んでおり、シュトラウス・ウィンナ・ワルツ・ベストと何ら変わらない選曲であり、これも、カラヤンだけが許されたウィーン・フィルからの特別な計らいなのである。

したがって、これを、全てのクラシックファン、ことに初めてワルツ・ポルカを聴かれる方に、強く推薦したい。

リチャード・オズボーンの伝記によると、カラヤンは、この指揮の直前は、健康状態も最悪で、気力も相当に萎えていたというが、本盤を聴くと、どの楽曲とも生命力に満ち溢れた演奏を行っており、老いの影など微塵も感じさせない。

充分でない体調を押してなのだが、馥郁たるウィーン・フィルのサウンドを重厚に引き出して、しかもシュトラウス・ワルツの極意というか独特の呼吸が伴っているのは流石同国オーストリア人同士の阿吽なのかも知れない。

それにしても、カラヤンの指揮するウィンナ・ワルツは、実に豪華絢爛にして豪奢。

それでいて、高貴な優美さを湛えており、ウィーン・フィルも水を得た魚の如く、実に楽しげに演奏をしている。

ウィンナ・ワルツが持つ独特の『間』と『アクセント』を見事に体現しており、その1音1音に命を吹き込んだこの演奏は、どの楽曲にも生命力が満ち溢れている。

そして何よりも、ウィーン・フィルとカラヤン自身が音楽することを楽しんでいることが伝わってくる演奏である。

カルロス・クライバーもこんな演奏がしたくて、2回もニューイヤー・コンサートを引き受けたのかもしれない。

バトルの「春の声」での独唱も見事であり、このように役者が揃ったニューイヤー・コンサートは、まさに空前にして絶後であり、今後ももはや決して聴くことはできないだろう。

残念なのは、当時演奏されたはずの「皇帝円舞曲」が収録されていないことであるが、それを除けば、あまた市場に溢れている各種のニューイヤー・コンサートのCDの中でも、随一の名盤と言うべきであろう。

幸運にも筆者はこのライヴをテレビ中継で見ることができたのだが、その緊迫感ある演奏は以後(例えばクライバーやムーティが登場した折にも)お目にかかれなかったと記憶している。

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1. 昔ダメで今OKなCD、カラヤンのニューイヤー  [ Gutsy Musik ]   2015年01月09日 04:43
カラヤンの唯一のニューイヤーコンサートのCD。 「ニューイヤーコンサート’87」   そう、今年始めにアップするのやめたCD。 何故突然? という感じですが、実は最近はあまりお邪魔してませんが、「クラシック音楽ぶった斬り」というブログがあるんですが、皆さんご存知の方

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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