2015年03月24日

アルゲリッチとポリーニの対極的なショパンetc…


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優れた演奏家は今日数多いが、アルゲリッチほど聴き手をスリリングな興奮に誘うピアニストも他にはいないであろう。

完璧な技巧を背景に奔放なまでの即興性と躍動感にあふれた演奏を聴かせる名手であり、まさに天才的な名ピアニストである。

一方、鋭い緊張感と劇的な表現力に貫かれたピアノ演奏の醍醐味を満喫させるポリーニは、アルゲリッチと並び現代ピアノ界を二分する人気と実力を誇る名ピアニストである。

ポリーニは甘いリリシズムに溺れることなく、作品に対する鋭い問いかけを背後にもつ彼の演奏は、時に聴き手に問題提起を迫るような気迫をもち、刺激的である。

イタリア人ならではの輝ける感性と知的な洞察力を併せ持つ、稀に見る天才型の名手ということになろう。

とりわけこの2大ピアニストは特にショパンにおいて個性的で素晴らしい対照的な名演を聴かせた。

アルゲリッチはきわめてスケール大きくピアノを鳴らし、勢いに乗じた激しい魂の燃焼を聴かせるが、ポリーニは冷静沈着で完璧主義的な、揺るぎのない安定し切った演奏で迫る。

アルゲリッチは抜群のテクニックと、本能的とも言える激しい作品へののめり込みを感じさせ、まるで曲とともに燃え尽きてしまうのではと思わせる、鬼気迫る凄い迫力の演奏になっている。

ポリーニの方は冷静沈着、まったく激することなくきわめて精緻な計算によって、完璧とも言えるやはり名演を聴かせる。

アルゲリッチの怒涛のような快演と、ポリーニのクールなリリシズム、いずれも比較を絶した名演で、優劣を論じることはできないが、本能派のアルゲリッチと、理想派のポリーニでは、まったくクロスすることのない二極的なショパンである。

両者はまさに対極的とも言える解釈なのだが、ショパンの作品そのものに、こうした極端な解釈を許す要素があるのだろう。

激しい魂の燃焼を求めるか、あるいは完璧なプロポーションを求めるかで、自ずと選択の基準は決定されるだろう。

激しく燃えるアルゲリッチに対して、クールで冷静なポリーニと、2つの演奏を聴き比べるのは、ファンのみに許された楽しみと言えよう。

いずれをとるかは、聴き手の好みの問題と言うしかないところである。

アルゲリッチは5歳からピアノを始め、わずか8歳でモーツァルトやベートーヴェンのピアノ協奏曲を弾いたという。

14歳の時ヨーロッパに渡り、グルダ、リパッティ、ミケランジェリ、マガロフなど数多くの名ピアニストのもとで研鑽を重ねている。

1960年、19歳の時より、ドイツ・グラモフォンにレコーディングを開始し、1965年のショパン・コンクールに優勝、以来今日まで変わることなく世界のピアノ界の頂点にたつピアニストとして華々しい演奏・録音活動を繰り広げている。

ポリーニも9歳にしてデビュー・リサイタルを開くほど若くして才能を発揮しているが、何といっても1960年のショパン・コンクールに18歳という若さで優勝、審査委員長のルービンシュタインを感嘆させた。

以来国際的な演奏活動を開始するかと思われたが、1968年まで表舞台にたつことなく、さらに研鑽を重ねている。

1968年ロンドンでのリサイタルを契機にカムバックし、1970年代はじめには世界最高峰のピアニストとして名声を確立している。

我が国への来日も1974年以来続けられており、ショパンを採り上げることも稀だが、いずれも揺るぎない説得力で聴き手を襲う名演を聴かせる大家中の大家である。

両者とも現在では高齢になり、ライヴにしろセッションにしろ慎重に臨んでいるため、若き日から壮年期にかけて、ドイツ・グラモフォンに残された録音は貴重である。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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