2015年07月30日

カラヤン&ベルリン・フィルのチャイコフスキー:後期3大交響曲集(DG盤)


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1970年代半ばのカラヤンは、耽美的表現が完成した時期であり、カラヤンの切れ味鋭い棒の魔術をたっぷりと堪能できる。

演奏は文句のつけようがないほど素晴らしく、カラヤンはチャイコフスキーを十八番にして、得意中の得意としていたが、豪壮華麗な演奏で、チャイコフスキーらしいチャイコフスキーであることは間違いない。

ベルリン・フィルとの関係が最も良好であったこと、オーケストラの機能とカラヤンの表現意欲がピークにあったことをこのディスクは示す。

交響曲第4番はこれが6度目の録音。

「第4」はライヴ的な迫力が魅力の1971年盤と、最晩年の荘重な巨匠風の名演を聴かせてくれる1984年盤の間にあって、若干影が薄い感があるが、全盛期のカラヤンとベルリン・フィルの黄金コンビが成し遂げた最も完成度の高い名演は、この1976年盤ではなかろうか。

カラヤンは、優美なレガートを軸としつつ、どんなに金管を力奏させても派手すぎることなく、内声部たる弦楽器にも重量感溢れるパワフルな演奏を求め、ティンパニなどの打楽器群も含めて重厚な演奏を繰り広げたが、こうした演奏は、華麗で分厚いオーケストレーションを追求し続けたチャイコフスキーの楽曲との抜群の相性を感じる。

同時代の巨匠ムラヴィンスキーは、チャイコフスキーの「第5」を得意とし、インテンポによる荘重な名演を成し遂げたが、これに対してカラヤンの演奏は、テンポを目まぐるしく変えるなど劇的で華麗なもの。

交響曲第5番は、これが4度目の録音。

ムラヴィンスキーの「第5」は確かに普遍的な名演に違いないが、カラヤンの「第5」も、チャイコフスキーの音楽の本質を的確に捉えた名演だと思う。

まさに両者による名演は、東西の両横綱と言っても過言あるまい。

重厚でうなるような低弦、雷鳴のように轟くティンパニ、天国から声が響いてくるような甘いホルンソロなど、ベルリン・フィルの演奏はいつもながら完璧であり、そうした個性派の猛者たちを巧みに統率する全盛期のカラヤン。

この黄金コンビの究極の名演の1つと言ってもいいだろう。

生涯に何度も「悲愴」を録音したカラヤンであるが、これが6度目の録音。

先般、死の前年の来日時の録音が発売されて話題となったが、それを除けば、ベルリン・フィルとの最後の録音が本盤ということになる。

1988年の来日盤は、ライヴならではの熱気と死の前年とは思えないような勢いのある演奏に仕上がっているが、ベルリン・フィルの状態が必ずしもベストフォームとは言えない。

その意味で、カラヤンとベルリン・フィルという黄金コンビが成し遂げた最も優れた名演ということになれば、やはり本盤を第一にあげるべきであろう。

第1楽章の第1主題の展開部や第3楽章の終結部の戦慄を覚える程の激烈さ、第1楽章の第2主題のこの世のものとも思えないような美しさ、そして第4楽章の深沈とした趣き、いずれをとっても最高だ。

この黄金時代の録音は、録音の良さもさることながら、完全無欠なものに仕上がっていて、見事にカラヤン色に染められてしまったオーケストラの音色を味わう事が出来る最上の輸入廉価盤である。

カラヤンの録音は往々にしてホールの比較的後方から聴いているような柔らかい音色と、包み込まれる様なふくよかな中低域がその特色であり魅力でもあるかと思う。

全体的にこの上なく美しいチャイコフスキーで、いかにもカラヤンらしい表現ではあるけれども、ファーストチョイスで問題ないだろう。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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