2015年03月28日

江崎昌子のショパン:バラード集&即興曲集


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江崎昌子による待望のショパンのピアノ作品集の第5弾の登場だ。

ポーランドを第2の拠点として活躍するピアニスト、江崎昌子は、2004年度日本ショパン協会賞を受賞し、ショパン演奏が高く評価される日本を代表するショパン弾きである。

筆者は、マズルカ全集におけるセンス満点の素晴らしい名演に接してから、江崎昌子が発売するショパンのピアノ作品集の演奏に注目してきたところである。

エチュード集にしても、はたまたピアノ・ソナタ全集にしても、ノクターン全集にしても、江崎昌子の類稀なる音楽性とセンスの良さが如何なく発揮された演奏に仕上がっていると言えるところであり、前述のマズルカ全集にも比肩し得るだけの素晴らしい名演と言えるところだ。

そして、本盤のバラード集&即興曲集であるが、前述の既発売のピアノ作品集にも優るとも劣らない、そして、まさに我々聴き手の期待がいささかも裏切られることがない圧倒的な名演と高く評価したいと考える。

江崎昌子による本演奏は、第4弾までの演奏と同様に、ショパンの各楽曲に対する深い洞察力に裏打ちされた、実に考え抜かれた解釈が光っている。

ショパンの怒り・哀しみ・喜び、ショパンが生きていた頃のポーランドの事などピアノの音色から様々な想いが伝わってくる。

おそらくは、録音に至るまでに何度も両曲集を弾きこなすとともに、スコアに記された音符の表層にとどまらず、各曲の音符の背後にある作曲当時のショパンの精神構造や時代背景に至るまで、徹底した追究が行われたのではないかと考えられるところだ。

江崎昌子は、こうした徹底した自己研鑽とスコアリーディングに基づいて、バラード集や即興曲集を構成する各曲を万感の思いを込めて情感豊かに曲想を描き出している。

このように考え抜かれた演奏を旨としてはいるが、理屈っぽさや生硬さは皆無であり、音楽が滔々と自然体に流れるとともに、バラードや即興曲の美しさや魅力を聴き手にダイレクトに伝えることに成功しているのが素晴らしい。

加えて、ショパンの演奏に時として聴かれる陳腐なロマンティシズムなど薬にしたくもなく、どこをとっても気高い品格と洒落た味わいを兼ね備えているのが素晴らしい。

もちろん、ルービンシュタインやフランソワ、コルトーなどによる歴史的な超名演などと比較すると、いわゆる強烈な個性にはいささか不足していると言えなくもない。

しかし、バラードや即興曲を安定した気持ちで味わうことができるという意味では、これまでの様々なピアニストによる同曲の名演にも引けを取っていない。

少なくとも、我が国の女流ピアニストによるショパンの演奏としては、間違いなく最右翼に掲げられるべき圧倒的な名演と評価しても過言ではあるまい。

音質は、SACDによる極上の高音質録音であり、江崎昌子のピアノタッチが鮮明に再現されるのは実に見事であると言えるところであり、本名演の価値をより一層高めるのに大きく貢献しているのを忘れてはならない。

いずれにしても、本盤は、江崎昌子による素晴らしい名演と極上の高音質録音が相俟った名SACDと高く評価したいと考える。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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