2015年03月31日

パネンカ&スメタナSQのシューベルト:ピアノ五重奏曲「ます」[XRCD]


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シューベルトは、歌曲の分野だけではなく、室内楽曲の分野においても数多くの作品を遺した。

かかる室内楽曲の中でも傑作とされるのは、弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」や弦楽五重奏曲などが掲げられると思うが、最も有名で親しみやすいのは、衆目の一致するところ本盤に収められたピアノ五重奏曲「ます」と言えるのではないだろうか。

そうした超有名曲であるだけに、古今東西の弦楽四重奏団が、有名ピアニストと組んでこぞって録音を行ってきているが、その中でも極上の美しさを誇っているのは、本盤に収められたスメタナ弦楽四重奏団による第1回目の録音であると考えられる。

スメタナ弦楽四重奏団にとって記念すべき第1回目の「ます」であるが、往年のファンにとってシューベルトの「ます」といえば、まず思い浮かべるのがこの録音であろう。

とにかく、往年のスメタナ弦楽四重奏団による演奏は、美しさの極みであると言える。

そして、スメタナ弦楽四重奏団の美演に見事に溶け込んでいるパネンカのピアノも負けず劣らず至純の美しさを誇っており、本演奏には、まさにピアノ五重奏曲を聴く真の醍醐味があると評価したい。

本演奏におけるアプローチにおいては、聴き手を驚かせるような特別な個性などはいささかも見られない。

曲想を精緻に丁寧に描き出していくというオーソドックスなものであるが、表面上の美しさを磨くだけにとどまることなく、どこをとってもコクがあり、豊かな情感に満ち溢れているのが素晴らしい。

「弦の国チェコの至宝」絶頂期のアンサンブルに、美しく溶け合うパネンカのピアノ、とめどなく溢れかえる歌に楽しさいっぱいのシューベルトと言えよう。

ピアノ五重奏曲「ます」の近年に成し遂げられた名演としては、ギレリス&アマデウスSQによる演奏(1975年)、ブレンデル&クリーヴランドSQによる演奏(1977年)、リヒテル&ボロディンSQによる演奏(1980年)、シフ&ハーゲンSQによる演奏(1983年)、田部京子&カルミナSQによる演奏(2008年)など、個性的な名演が目白押しではあるが、本盤のような情感豊かな美しい演奏を聴くと、あたかも故郷に帰省した時のように安定した気持ちになる聴き手は筆者だけではあるまい。

そして、何よりも素晴らしいのは、XRCDによる極上の高音質録音であり、アナログ期の代表的演奏を最上の音質で復刻されている。

本盤は1960年の録音ではあるが、とても50年以上前の録音とは思えないような、そして弦楽器の弓使いまでが聴こえてくるような鮮明な高音質に生まれ変わったのは殆ど驚異的ですらある。

音質最重視で贅沢にも1曲のみの収録であるが、丁寧かつ最新のリマスタリングが、アナログに針を下ろしたときの当時の興奮と喜びをふたたび約束してくれることであろう。

いずれにしても、スメタナ弦楽四重奏団とパネンカによる極上の美演を、望み得る最高の音質で味わうことができる本XRCDの登場を大いに歓迎したい。

さて、問題は価格設定であるが、いくらXRCDの極上の高音質と言っても、9800円というのはいくらなんでも高すぎるのではあるまいか。

しかしながら、アマゾンでは、マーケットプレイスから低廉に購入することができるので、比較的入手しやすいと思う。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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