2015年04月24日

グールドのバッハ:ゴルトベルク変奏曲-メモリアル・エディション-


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グレン・グールド没後20年/生誕70年を記念した3枚組メモリアル・アルバム。

彼の代表作である、1955年と1981年の「ゴルトベルク変奏曲」をカップリングし、さらにレアな音源(1955年の録音時のアウトテイク)を初CD化。

グールドの全く対照的な新旧2つのゴルトベルク変奏曲を1つのセットに収めた好企画盤。

1955年の「ゴルトベルク」は、24ビットリマスターで収録、1981年の「ゴルトベルク」のオリジナル盤はデジタル録音だが、今回は、並行して録音されていたアナログ・テープからのDSDマスタリングによるマスターを初めて使用。

そして、グールドと縁の深いティム・ペイジと「ゴルトベルク」について語った50分におよぶインタビュー・セッション(1982年録音、日本盤のみ完全日本語訳付)を収録。

グレン・グールドのレコーディング・デビュー作となる1955年の「ゴルトベルク変奏曲」は世界に旋風を巻きおこした。

確固たる現実的な音楽観、完璧な演奏技術、驚くべき透明感、的を得たリズムの変化、それに加え、ハミングしたりときには乱暴なまでにテンポを速める不思議な癖。

それらがグールドをたちまち伝説のピアニスト、まったく新しい手法によるバッハの音楽の解明者の地位に祭りあげた。

そして、それから26年後のグールドの最後のレコーディング作品もまた「ゴルトベルク変奏曲」だった。

こちらでは、さらにリラックスし、ときおり遅すぎるほどにテンポを落とし、より内面的に音楽を読みとり(けれども彼ならではの激しいアタックやアクセントは変わっていない)、変奏曲のうち15曲で前半部を反復している。

1955年作品と1981年作品はそれぞれ独自の手法をとっているが、どちらも素晴らしく、これら2つの演奏はどちらもクラシック音楽全体の中でも比類を絶して素晴らしいもののひとつに入る。

旧盤の繰り返しをすべて省いた一直線の快速の演奏、新盤のゆったりとしたテンポで、自らの人生を顧みるかのような味わいのある演奏。

いずれも優劣の付け難い永遠の超名演と言うべきであるが、それを1つのセットにまとめることによって両者の違いをより明確に聴き分けることが可能となったのも大いに評価に値する。

新盤では、繰り返しの実施の有無が各変奏曲によってバラバラで一貫性がないとの批判が一部にあるが、これは、グールドのバッハ解釈の究極の到達点を示すものとして、むしろ肯定的に解釈すべきではなかろうか。

このCD3枚組の新たな豪華ボックスセットは楽しく、聴く喜びにあふれ、音楽の真理があり、音楽を愛する者なら誰でもコレクションに加えるだろう。

ディスク3にはレコーディング・セッションのアウトテイクとおしゃべりが収録されている。

そのなかでグールドは即興で「God Save the King」を弾き、さらにそれを「The Star-Spangled Banner」へつないでいる。

また、評論家ティム・ペイジによるロング・インタビューはグールドの風変わりなユーモアと独特の音楽観に深い洞察を与えてくれる。

本作はまさに必携のコレクションである。

もちろん、グールドのバッハだけが、バッハ演奏の正当な解釈であると言うつもりは毛頭ないが、従来の古色蒼然たるバッハ解釈に新風を吹き込み、芸術性を損なうことなく、バッハの知られざる魅力を堪能させてくれたという意味では、グールドの功績は大と言わざるを得ないだろう。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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