2015年06月25日

フルトヴェングラー&ベルリン・フィルのシューマン:交響曲第4番、「マンフレッド」序曲[SACD]


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いささか懐古的になるが、ユニバーサルが2010年より、シングルレイヤーによるSACD&SHM−CD盤の発売を開始したのは、ネット配信が隆盛期を迎えパッケージメディアの権威が揺らいでいる中において、快挙とも言える素晴らしい出来事であった。

ユニバーサルは発売開始以降、月に3〜5枚のペースで当該SACD&SHM−CD盤を発売してきているが、小澤によるブラームスの交響曲第2番とブリテンの戦争レクイエムを除いては、かつて発売されていたSACDハイブリッド盤の焼き直しに過ぎなかったと言わざるを得なかった。

しかしながら、ライバルのEMIがフルトヴェングラーの遺産のSACD化に踏み切り、大変な好評を得ていることに触発された面もあるのではないかとも思われるが、先般、これまで1度もSACDで発売されたことがないフルトヴェングラーの一連の歴史的な録音を、定評のあるシングルレイヤーによるSACD&SHM−CD盤で発売するというのは、素晴らしい壮挙として大いに歓迎したいと考える。

本盤に収められているのはシューマンの交響曲第4番と「マンフレッド」序曲であるが、いずれもそれぞれの楽曲の演奏史上最高の玉座に君臨する至高の超名演と高く評価したい。

フルトヴェングラーが亡くなる1年半前、1953年5月のスタジオ録音によるシューマンの交響曲第4番は、フルトヴェングラーの最も優れたレコーディングとして知られるもので、最新の音楽之友社刊『新編名曲名盤300』でもこの曲のベスト・ワンとして推されている名盤である。

フルトヴェングラーは同曲を、悠揚迫らぬインテンポで荘重に曲想を進めていく。

シューマンの絶望感に苛まれた心の病巣に鋭く切り込んで行くような深沈とした彫りの深さにも際立ったものがある。

演奏全体の造型はきわめて堅固ではあるが、峻厳さを感じさせることはいささかもなく、演奏全体が濃厚なロマンティシズムに満ち溢れているのが素晴らしい。

晩年のスタジオ録音でありながら、ライヴ録音に優るとも劣らぬ鬼気迫る熱演が繰り広げられていると同時に、音楽の流れが自然であり、また細部の処理も入念で、全体として完成度が極めて高い。

歌に満ちたフレーズ、オーケストラの充実した響き、楽器間の絶妙な音量バランス、音楽に寄り添ったテンポのうねりなど、本当に見事だ。

また、通常、フルトヴェングラーの演奏では、「フルトヴェングラーを聴く」という意味合いが強くなるが、この演奏では、シューマンの楽曲自体の素晴らしさを堪能することができるという点でも、楽曲の魅力を最大限に引き出した演奏だと思う。

これほどの深みのあるシューマンの交響曲第4番の演奏は他にも例がなく、その後は、ベーム&ウィーン・フィル(1979年)、バーンスタイン&ウィーン・フィル(1984年)、カラヤン&ウィーン・フィル(1987年)などの名演も生まれてはいるが、本フルトヴェングラーによる超名演には到底足元にも及ばないと考える。

「マンフレッド」序曲も、フルトヴェングラーならではの濃厚で奥行きの深さと実演ならではのドラマティックな圧倒的生命力を感じさせる至高の超名演であり、ウィーン・フィルを指揮した名演(1951年、既にEMIよりSACD化)よりも更に上位に置きたいと考える。

音質は、1953年のスタジオ録音(「マンフレッド」序曲は1949年のライヴ録音であり、若干音質は落ちる)ということもあって従来盤でもフルトヴェングラーのCDとしては良好な方であったが、今般のシングルレイヤーによるSACD&SHM−CD化によって、にわかには信じ難いような鮮明な音質に生まれ変わった。

フルトヴェングラーによる至高の超名演をこのような極上の高音質SACD&SHM−CD盤で味わうことができるのを大いに歓迎したい。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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