2015年05月02日

ロストロポーヴィチ&カラヤンのR.シュトラウス:交響詩「ドン・キホーテ」


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同曲演奏史上最高の超名演だ。

ロストロポーヴィチを迎えての「ドン・キホーテ」で、カラヤンによるR.シュトラウスの録音中屈指の名演として有名なもの。

ベルリン・フィルの豊穣な響きはもちろん、ロストロポーヴィチの卓越した演奏もまた素晴らしい。

録音は1975年であるが、これは、カラヤン&ベルリン・フィルの黄金時代。

カラヤンにとっては、その後、様々な故障を抱えて体力的に衰えていく分岐点となった年であるし、ベルリン・フィルも、楽団史上最高の名奏者が集まった全盛期であった。

そして、ロストロポーヴィチの脂が最も乗った時期でもあり、当時のベルリン・フィルの首席ヴィオラ奏者のコッホも加わったメンバーの組み合わせは、まさに豪華絢爛にして豪奢と言わざるを得ないだろう。

こうした豪華な面々の組み合わせがかえって仇になる作品もあるとは思うが、R.シュトラウスの管弦楽曲の場合は、そのオーケストレーションの華麗さ故に大いにプラスに働くことになる。

カラヤン&ベルリン・フィルの重量感溢れる豪壮な演奏は、それだけで聴き手の度肝を抜くのに十分であるし、ロストロポーヴィチのチェロの表現力の幅の広さは、まさに史上最高のドン・キホーテと言っても過言ではあるまい。

冒頭からR.シュトラウスにうってつけの豊満な響きで、まったりとしながらメリハリが利いていて飽きさせない。

主題提示部の圧倒的な迫力から、終曲の詩情豊かな繊細さに至るまで、このチェリストの底知れぬ実力を感じずにはいられない。

滑らかでスムーズ、淀みないカラヤンの指揮するオーケストラに、逞しく奔放なロストロポーヴィチの演奏が音楽的なスケールとダイナミズムを一層際立たせた名演奏である。

チェロとオーケストラが融合しながら協奏曲とはひと味違う、真の意味での管弦楽曲作品に仕上がっている。

ロストロポーヴィチの鬼気迫る演奏がドン・キホーテの狂気を見事に表出し、それに拮抗するカラヤン&ベルリン・フィルのゴージャスなサウンドが素晴らしい。

また、コッホの哀愁を帯びたヴィオラの音がヨボヨボのロバに乗ったサンチョ・パンザを髣髴とさせる。

カラヤンの作為的な演出が全面に出た演奏を嫌う向きも多いが、この曲はそれが大正解なのである。

これはドン・キホーテの脳内に構築されたバーチャル空間なのだから。

筆者は本来、説明的な標題音楽というのが苦手なのだが、この演奏の前にはその嗜好が霧散してしまう。

虚構の豪奢な伽藍が陸続と連なるような大絵巻を描出できる指揮者はカラヤンをおいて他にはいないだろう。

カラヤン&ベルリン・フィルは、本盤の約10年前にフルニエと、約10年後にメネセスと組んで、「ドン・キホーテ」を録音しており、いずれも名演ではあるものの、とても本盤ほどの魅力はない。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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