2015年05月28日

ライナー&シカゴ響のシュトラウス:ワルツ・ポルカ集[SACD]


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かの有名歌手であるシュヴァルツコップが「無人島に持っていく1枚」と称賛したとの曰くつきのCDであるが、確かに素晴らしい名演だ。

機能的でパワフルと思われがちなシカゴ交響楽団と、怖い名匠と思われがちなフリッツ・ライナーのウィンナ・ワルツ集だが、これが意外や意外にふくよかなウィーンの響きを気持ち良く聴かせてくれる、とても楽しく心休まるウィンナ・ワルツ集になっている。

SACD化によって、後述のように、この演奏の凄さが際立った感もあり、録音も含めて高く評価したい名演と言える。

まず、何よりも凄いのは、アンサンブルの超絶的な正確さだ。

シカゴ交響楽団と言えば、今でこそショルティ時代の鉄壁のアンサンブルとパワフルで輝かしい音色が、どうしても脳裏をよぎってしまうが、本盤を聴くと、そのルーツは、ライナー時代に遡ることがよくわかる。

金管楽器も木管楽器も実に巧いし、しかもそのどれかが目立つということはなく、見事に揃っている。

パワーも凄まじいものがある。

そして、弦楽器も鉄壁のアンサンブルを見せ、全体として、あたかも眼前に巨大な建造物が構築されているかのような印象を受ける。

では、このような硬質とも言える演奏は、ウィンナ・ワルツと水と油ではないかと言う考え方もあるが、よく聴くと、必ずしもそうではないのだ。

それは、ライナーの指揮が、歌うべきところは実に優雅に歌うなど、実にコクのある演奏を繰り広げているからだ。

ヨハン・シュトラウスなど、ウィンナ・ワルツは、結局、ウィーン・フィルに限ると思っていたが、そんなことは全くない。

ウィンナ・ワルツの演奏と言えば、ウィーン・フィルに代表されるように、アンサンブルの僅かなズレを逆手に取って、あたかも踊り子のフリルのような柔らかさを醸す演奏が一般的だ。

ライナーの演奏は、そうした女性的なものとは実に対照的で、ものがウィンナ・ワルツだろうが何だろうが、一糸乱れぬ合奏と几帳面な3拍子で、引き締まったサウンドを聴かせてくれる。

この地味なオケの音色は、そして縦の揃ったこのアンサンブルは、本当に素晴らしいし、ライナーはしっかりウィーンらしい“崩し”も振り分けていて,見事である。

もし、足りないものと言えば、ちょっとしたユーモアや遊び心、ちょっと芝居がかったウィーンらしいノリのようなものだろう。

音楽に対する厳格な姿勢ばかりが強調されてきたライナーも、こんなに楽しいウィンナ・ワルツやポルカの演奏を残していたのだ。

とにかく、ライナーらしさは影を潜め、肩の力を抜いて、なだらかに、丁寧に、情感豊かに、全体をメゾフォルテとメゾピアノで演奏しているのだ。

したがって、繰り返し聴いて嫌にならない。まさに、夢のような1枚と言えよう。

もっとも、これは、従来CDでは聴き取れなかった音質とも言える。

その意味では、今般のSACD化によって、初めてこの名演の真価が明らかにされたと言えるだろう。

クレジットこそなく推測の域を出ないが、舞踏への勧誘のチェロはシュタルケルであろうか。

この曲でのチェロは特に絶品の美しさだ。

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classicalmusic at 00:29コメント(0)トラックバック(0)シュトラウス | ライナー 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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