2015年07月13日

ヤンソンス&コンセルトヘボウのR.シュトラウス:アルプス交響曲、ドン・ファン[SACD]


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素晴らしい名演だ。

記念すべき2004年9月4日首席指揮者就任記念コンサートの「英雄の生涯」以来となる、ヤンソンス&コンセルトヘボウ・アムステルダム(ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団)によるシュトラウス第2弾。

R.シュトラウスもまた、長い伝統を誇るコンセルトヘボウ・アムステルダムとはたいへんゆかりの深い作曲家。

1897年から翌98年にかけて作曲された「英雄の生涯」がコンセルトヘボウ・アムステルダム第2代首席指揮者メンゲルベルクと当楽団に捧げられたことも少なからず関係してのことであろう。

1915年10月の作曲者指揮による世界初演の翌年には、早くもメンゲルベルクの指揮で当コンセルトヘボウ・アムステルダムによるオランダ初演が行なわれた「アルプス交響曲」。

さらにこの成功を受けて、1週間後には作曲者の指揮でもコンセルトヘボウ・アムステルダム再演が果たされていた。

ヤンソンス自身は「アルプス交響曲」をウィーン・フィルとの実演などでも幾度となく取り上げてはいるが、こと録音に関して、他ならぬコンセルトヘボウ・アムステルダムを起用したことは演奏の伝統を踏まえての納得の選択と言えるだろう。

R.シュトラウスの「アルプス交響曲」は、今では演奏機会が多い人気曲になっているが、1970年代までは、ベーム(モノラル)、ケンぺ、メータ、ショルティといったごく限られた指揮者による録音しか存在しなかった。

LP時代でもあり、50分にも及ぶ楽曲を両面に分けなければならないというハンディも大きかったものと考える。

ところが、1981年にカラヤン盤がCDとともに登場するのを契機として、今日の隆盛を築くことになった。

この曲には、優秀なオーケストラと録音が必要であり、あとは、指揮者の各場面を描き分ける演出の巧さを要求されると言える。

それ故に、カラヤン盤が今もなお圧倒的な評価を得ているということになるのだが、本盤も、そうした要素をすべて兼ね備えている。

コンセルトヘボウ・アムステルダムは、全盛期のベルリン・フィルにも優るとも劣らない圧倒的な技量を誇っていると言えるし、録音も、マルチチャンネル付きのSACDであり、全く文句のつけようがない。

音質が良いというのは、生々しい、あるいは臨場感がある、というだけでなく、再生したときの奥行きの立体性、楽器のバランスなどが巧みに仕上がっているということである。

録音のダイナミックレンジは広いが、弱音も克明に捉えられているし、楽器と楽器の距離感も的確だ。

ヤンソンスも、聴かせどころのツボを心得た素晴らしい指揮を行っており、まさに耳の御馳走とも言うべき至福のひとときを味わうことが可能だ。

併録の「ドンファン」も、「アルプス交響曲」と同様、録音も含め最高の名演の1つと高く評価したい。

こちらも巧みなドラマづくりでライセンス・トゥー・スリルの異名をとるヤンソンスの独壇場。

匂い立つような弦に、甘美なオーボエ・ソロ、ホルンによって力強く歌われるテーマ。

その魅力を挙げてゆけばきりがないが、どんな場面においても磨き抜かれたコンセルトヘボウ・アムステルダムの響きは雄弁このうえなく、たっぷりと酔わせてくれる。

ヤンソンス&コンセルトヘボウ・アムステルダムは、前述のように首席指揮者としてのデビューの演奏会の演目として、「英雄の生涯」を採り上げたが、本盤には、その当時からの両者の関係の深まりを大いに感じることができる。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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