2015年04月17日
カラヤン&ベルリン・フィルのチャイコフスキー:後期3大交響曲集(EMI盤)
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カラヤンは、チャイコフスキーを得意としており、交響曲第4番は6度もスタジオ録音している。
加えて、ウィーン交響楽団とのライヴ録音も存在しており、カラヤンとしても何度も演奏した得意のレパートリーと言えるが、遺された録音の中で随一の名演は、カラヤン&ベルリン・フィルの黄金時代である1971年に録音された本盤であると考える。
本盤の特徴を一言で言えば、ライヴ録音を思わせるような劇的な迫力だ。
豪演と言っても過言ではないような圧巻の迫力であり、その圧倒的な生命力は、とてもスタジオ録音とは思えないほどである。
冒頭から、悪魔的な金管の最強奏に始まり、厚みのある弦合奏の重量感や、雷鳴のようなティンパニの轟きには戦慄を覚えるほどだ。
第1楽章終結部の猛烈なアッチェレランドは、古今東西の同曲の演奏の中でも、最高の迫力を誇っている。
第2楽章の木管の巧さも特筆すべき美しさであり、そのむせ返るような熱い抒情には、身も心もとろけてしまいそうだ。
終楽章の疾風の如きハイテンポによる進行は圧巻という他はないが、それでいて、アンサンブルにいささかの乱れもないのは、殆ど驚異でもある(これに匹敵できるのは、ムラヴィンスキー&レニングラード・フィルの1960年盤のみ)。
カラヤンはチャイコフスキーを得意としていたが、このうち、交響曲第5番は5回もスタジオ録音している。
いずれも名演であると思うが、その中でもトップの座に君臨するのは、1971年に録音された本盤であると考える。
スタジオ録音であるが、ライヴ録音ではないかと思われるほど、劇的な性格を有した豪演と言うことができる。
この当時は、カラヤンとベルリン・フィルは蜜月状態にあり、この黄金コンビは至高の名演の数々を成し遂げていたが、本盤の演奏も凄い。
金管楽器も木管楽器も実に巧く、厚みのある重厚な弦楽器も圧巻の迫力で、雷鳴のようなティンパニの轟きも、他の誰よりも圧倒的。
そうした鉄壁の技量とアンサンブルを誇るベルリン・フィルを、これまた圧倒的な統率力で指揮するカラヤンの凄さ。
粘ったようなテンポや猛烈なアッチェレランドの駆使、そしてカラヤンには珍しいポルタメントの効果的な活用など、実に内容豊かでコクのあるチャイコフスキーを構築している。
カラヤンは、チャイコフスキーを得意としたが、その中でも十八番は、この交響曲第6番「悲愴」だったと言える。
スタジオ録音だけでも7度も行うとともに、先般発売された来日時のライヴ録音や、NHK交響楽団とのライヴ録音などを加えると、圧倒的な点数にのぼる。
オペラのように起承転結がはっきりした標題音楽的な要素や、華麗なオーケストレーションなど、いかにもカラヤンが得意とした要素が散りばめられているのが、カラヤンが同曲を得意とした要因の1つに掲げられると考える。
遺された録音は、いずれも名演であるが、その中でも、本盤は、ライヴ録音ではないかと思われるような劇的な豪演を成し遂げているのが特徴と言える。
悪魔的とも言うべき金管楽器の鋭い音色や、温かみのある木管の音色、重厚な低弦の迫力、そして雷鳴のように轟くティンパニの凄さなど、黄金時代にあったベルリン・フィルの圧倒的な技量が、そうした劇的な要素を大いに後押ししている。
カラヤンも、圧倒的な統率力で、ベルリン・フィルを巧みにドライブするとともに、ポルタメントやアッチェレランド、流れるようなレガートなどを効果的に駆使して、「悲愴」の魅力を大いに満喫させてくれる。
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