2015年04月17日

歴史的ワーグナー指揮者による名演集[SACD]


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歴史的な名指揮者が指揮したワーグナーの珠玉の名演を集めた好企画CDだ。

恐らく“怪物”ワーグナー程序曲や前奏曲が好んで演奏会で採り上げられ、録音が行われる作曲家は他におるまい。

巨大なオペラ本編の雰囲気を凝縮した交響詩的世界がその最大の魅力であろう。

本CDのミソは、SACDマルチチャンネルであるということで、本盤に収められた名演を現在望み得る最高の音質で味わうことができる点が素晴らしい。

本盤には、20世紀を代表するワーグナー指揮者として、歴史にその名を刻んでいる、ベーム、カラヤン、ヨッフム、クーベリックなどの録音が収められている。

先ずは、ワーグナーの聖地バイロイトでも最高の名演を聴かせていたベームが、ウィーン・フィルと至高のワーグナーを披露している。

カラヤン&ベルリン・フィルは、桁外れに幅広い表現力で、ワーグナーのオーケストレーションの魅力を最大限に表現し尽くした演奏と言えるだろう。

ヨッフムは一語でいうと地味で素朴な風格を帯びているが、といってヨッフムの演奏は少しも鈍重ではなく、温かく優しい表情が印象深い。

また、誇張を排した真摯な表現の中に適度なドイツ的重厚さと劇的な緊張感を湛えたクーベリックのスタイルは今なお高い支持を受けている。

特に、音質面ですばらしいと思ったのは、カラヤンによる「ワルキューレ」と「神々の黄昏」からの抜粋。

2008年には、4部作全曲がSHM−CD化され、それもなかなか見事な音質ではあったが、本盤の音質はそもそも次元が違う。

逆に言うと、本盤を聴いて、ないものねだりながら、4部作全曲をSACDマルチチャンネルで聴きたくなってしまった。

次いで、ベームの「ローエングリン」と「さまよえるオランダ人」が見事であり、オペラの舞台が眼前に迫ってくるかのような実在感が見事である。

他の諸曲も鮮明であるが、「ニュルンベルクのマイスタージンガー」だけは、オリジナルテープの劣化のせいか、やや音質に難があるのは残念であった。

とはいえ費用対効果を考えると、ワーグナーの音楽を最高の音質と演奏で味わうのに最高の1枚であると評価したい。

ちなみにマルチチャンネルとは、基本的にはスピーカー5個とサブ・ウーファー1個で再生されるSACDのことである。

前に3つ、後ろに2つ、適当なところにサブ・ウーファーを1つ、というセッティングであるが、実際には5.0chといって、サブ・ウーファーを使わないマルチチャンネル・ディスクが多い。

ライヴ録音だったらホールの感じで、前方にステージ、残響音や拍手の音が部屋中に拡がり、スタジオ録音なら、前方の音を、真横、後ろに配置して、拡がりのある空間で音楽が聴ける。

とにかく、マルチチャンネルはステレオ(2チャンネル)とは比べ物にならないくらい臨場感が出るのだ。

最近では、ユニバーサルを筆頭にして、SACD盤を積極的に発売しても、マルチチャンネルから撤退するケースが多いようであるが、本盤のような、各楽器セクションの配置が明瞭にわかるような臨場感溢れる鮮明な高音質を聴いていると、是非ともマルチチャンネル付きのSACDを復活させていただきたいと切に願わざるを得ないところだ。

そして、かかるマルチチャンネル付きのSACDによる圧倒的な高音質録音が、本盤の価値を高めるのに大きく貢献しているのも忘れてはならない。

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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