2015年05月19日

カラヤン&ベルリン・フィルのR.シュトラウス:アルプス交響曲


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R.シュトラウスのアルプス交響曲は、単一楽章で書かれアルプスの登山から下山までを22の主題で描写している、意外にもシュトラウスの作曲した最後の管弦楽曲。

ワーグナーの後継者と言われただけあり巨大な管弦楽による広いダイナミックレンジ、劇的な場面転換による音楽で聴く者を圧倒する。

曲が派手なだけにやり過ぎと感じてしまう所もあるとは思うが、カラヤンの演奏により軽快でスリリングなものになっている。

カラヤンはR・シュトラウスの音楽を十八番としており、管弦楽曲や協奏曲、管弦楽伴奏付き歌曲、オペラに至るまで数多くの録音を遺している。

特に、交響詩については、初期の「マクベス」を除き、それぞれ複数の録音を行っている。

ところが、これらの交響詩の集大成として作曲されたアルプス交響曲をレパートリーに加えたのは、本盤が録音された1980年になってからである。

家庭交響曲を1973年に録音していることからしても、これは実に遅すぎたのではないかとも言える。

その理由の解明はさておき、本カラヤン盤が登場する以前は、アルプス交響曲の録音などは極めて少なかったと言わざるを得ない。

ベーム&シュターツカペレ・ドレスデン(1957年)はモノラルであり問題外。

質実剛健なケンぺ&シュターツカペレ・ドレスデン(1970年)が唯一の代表盤という存在であったと言える。

この他にはスペクタクルなメータ&ロスアンジェルス・フィル盤(1975年)や快速のテンポによるショルティ&バイエルン放送響盤(1979年)があったが、とても決定盤足り得る演奏ではなかったと言える。

そうしたアルプス交響曲を、現在における一大人気交響曲の地位に押し上げていくのに貢献した演奏こそが、本盤のカラヤンによる至高の超名演である。

本カラヤン盤の発売以降は、様々な指揮者によって多種多様な演奏が行われるようになり、現在では、R・シュトラウスの他の有名交響詩の人気をも凌ぐ存在になっているのは周知の事実である。

いずれにしても、本演奏は、カラヤン&ベルリン・フィルの黄金コンビが構築し得た究極の音のドラマと言えるだろう。

壮大なアルプスの、日の出から日没までを描いたR.シュトラウスの交響曲をベルリン・フィルの厚みのある弦セクションが本領を発揮し、美しい情景を艶やかに描き出している。

本演奏の2年後には、ザビーネ・マイヤー事件をきっかけとして両者の関係が修復不可能にまで悪化したことから、ある意味では、この黄金コンビの最後の輝きとも言える存在なのかもしれない。

本演奏でのベルリン・フィルのアンサンブルの鉄壁さはあたかも精密機械のようであり、金管楽器や木管楽器の超絶的な技量には唖然とするばかりだ。

肉厚の弦楽合奏や重量感溢れるティンパニの響きは圧巻の迫力を誇っており、カラヤンの代名詞でもある流麗なレガートも好調そのものだ。

アルプス交響曲については、前述のように本カラヤン盤の登場以降、様々な指揮者によって多種多様な名演が成し遂げられるようになったが、現在においてもなお、本演奏は、いかなる名演にも冠絶する至高の超名演の座を譲っていないものと考える。

音質については、従来盤でも非常に鮮明な高音質を誇っていたが、今回のSHM−CD化によって、若干の音質向上効果が見られたのではないかと考えられる。

可能ならば、SACD化を望みたいところであるが、多少なりとも音質向上が図られたことについては高く評価したい。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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