2015年04月25日

トスカニーニ&NBC響のシューマン:交響曲第3番、ラヴェル:『ダフニスとクロエ』第2組曲、レスピーギ:ローマの祭


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オーパス蔵が良質のLPから見事な復刻を行った本盤は、トスカニーニの指揮芸術を良好な音質で満喫することができる1枚である。

かつて、トスカニーニは、快速のインテンポによる指揮者というイメージがあったが、それは、過去に発売された多くのLPやCDのデッドで劣悪な音質によるところが大きい。

最近では、復刻CDやXRCD化などにより高音質化が図られ、歪められたトスカニーニ像が正されつつあるのは朗報と言うべきであろう。

本盤も、オーパス蔵による見事な復刻によって、トスカニーニの至芸を十分に満足し得る音質で味わうことができるようになったことが素晴らしい。

どの曲も、決してインテンポではなく、曲想を巧みに描き分けるための緩急自在のテンポ設定を行うことにより、聴かせどころのツボをしっかりと押さえている。

加えて、トスカニーニならではの濃厚なカンタービレが随所に現れ、徹底的に鍛え抜かれたNBC交響楽団の名人芸も卓越している。

本盤に収められたいずれの曲もトスカニーニの類稀な指揮芸術の至芸を味わえる超名演揃いであると高く評価したい。

メインのシューマンの「第3」は、表題の「ライン」を意識した演奏ではなく、いわゆる音のドラマとしての交響曲を念頭に置いた演奏であるが、オーパス蔵による見事な復刻によって、スコア一辺倒の冷たい音楽ではなく、血も涙もある名演に仕上がっている。

全体の印象は、あたかも南国イタリアの青空の下にあるようで、随所にトスカニーニ一流のカンタービレが、いささかも品性を失うことなく効果的にちりばめられている。

テンポも随所において変化をさせており、トスカニーニ=インテンポという見解を覆すのに十分な卓抜さだ。

ラヴェルの「ダフニスとクロエ」第2組曲は、更に名演で、これはイタリアの陽光に照らされたフランス音楽だ。

詩情がいのちのラヴェルだが、トスカニーニは委細構わずに進む。

とにかく美しさが徒事ではなく、この色彩の洪水と凄絶なフォルテと音楽の前進性は素晴らしいの一語に尽きる。

オーケストラの統率力は抜群で、どんなに楽器が増え、最強奏してもごちゃつくところはいっさいない。

シューマンと同様に、情景描写よりも音のドラマを意識した演奏を行っているが、にもかかわらず、ラヴェルの巧みなオーケストレーションを余すことなく完璧に描き出し、結果として、同曲に込められた情景が眼前に浮かび上がってくるという離れ業を成し遂げている。

これは、巨匠トスカニーニだけが成し得た至高の指揮芸術と言えるだろう。

それにしても1949年の録音というのが信じられないくらい音質が良い。

そして、圧巻は超名演として知られるレスピーギの「ローマの祭り」。

冒頭から終結部まで、誰にも止めることができない勢いと張り詰めるような緊張、オーケストラの驚異的なアンサンブル、そして切れば血が吹き出てくるような圧倒的な生命力が全体を支配しており、それでいて、10月祭の官能的とも言うべきカンタービレの歌い方も実に感動的だ。

特に、主顕祭のもはや人間業とは思えないようなド迫力には、評価する言葉すら思いつかないくらい、完全にノックアウトされてしまった。

これについては、数年前にXRCD化され、当該盤こそが決定盤と考えていたが、オーパス蔵による復刻は、特に重低音の再現において著しい成果をあげており、これだけでも一聴の価値があると思う。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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