2015年05月26日

五嶋みどり&メータのシベリウス:ヴァイオリン協奏曲/ブルッフ:スコットランド幻想曲


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近年、我が国出身の若手女流ヴァイオリニストが世界各国の有名コンクールで優勝する等の華々しい活躍をしている。

例えば、チャイコフスキー国際コンクールで優勝した諏訪内晶子(その後、神尾真由子が続く)をはじめ、パガニーニ国際ヴァイオリンコンクールにおいて史上最年少で優勝した庄司沙耶香など、雨後の竹の子のように数多くの若き才能あるヴァイオリニストが登場してきている。

もっとも、彼女たちに共通しているのは、デビュー後数年間は華々しい活躍をするが、その後は影の薄い存在に甘んじてしまっているということだ。

諏訪内晶子にしても、近年では相次ぐスキャンダルによって新譜すら殆ど発売されていない状況に陥っているし、庄司沙耶香にしても最近での活躍はあまり聞かれないところだ。

神尾真由子なども今後どのように成長していくのかはわからないが、クラシック音楽の受容の歴史が浅い我が国の若手女流ヴァイオリニストが普遍的に世界で活躍するような土壌は、未だに肥沃なものとなっていないと言えるのではないだろうか。

五嶋みどりは、特にコンクールなどでは取り立てた受賞歴はないが、14歳の時のバーンスタインとの伝説的なコンサートで一躍世界に知られる存在となったところだ。

その後は、1990年代から2000年代の前半にかけて、世界の一流指揮者、オーケストラとともに各種の協奏曲等の録音を行うなど、華々しい活躍を行っていたが、最近では、他の若手女流ヴァイオリニストと同様に活動ややや低調になり、最近ではパウル・ヒンデミット作品集の新譜が出て、新境地を拓いたかのようにみえたが、クラシック音楽ファンの反応は今一つ。

新譜の数自体が激減している昨今のクラシック音楽界の現状に鑑みれば、致し方がない面もあろうかとも思うが、五嶋みどりにしても、かつての輝きを今後も維持できるのかどうか、大きな岐路に立っていると言っても過言ではあるまい。

かつての伝説的なコンサートはもはや遠くに過ぎ去った過去の話であり、五嶋みどりが今後も円熟の大ヴァイオリニストとして末永く活躍していただくことをこの場を借りて祈念しておきたいと考える。

それはさておき、本盤に収められたシベリウスのヴァイオリン協奏曲とブルッフのスコットランド幻想曲は、五嶋みどりが輝いていた時代の素晴らしい名演だ。

五嶋みどりのヴァイオリンは、もちろん技量においても何ら問題はないが、巧さを感じさせないところが素晴らしいと言える。

要は、楽曲の美しさだけが聴き手に伝わってくるような演奏を心掛けていると言えるところであり、加えて、畳み掛けていくような気迫や強靭な生命力が演奏全体に漲っているのが素晴らしい。

あたかも実演であるかのような、五嶋みどりの体当たりとも言うべき渾身の、そして楽曲の美しさを際立たせた演奏は、我々聴き手の感動を誘うのに十分であり、このような力強い名演奏を聴いていると、あらためて五嶋みどりの卓越した才能を感じることが可能だ。

一部の女流ヴァイオリニストにありがちな線の細さなどは微塵もなく、どこをとっても骨太のしっかりとした構えの大きい音楽が鳴り切っているのが見事である。

このような堂々たる五嶋みどりのヴァイオリンを下支えしているのが、メータ&イスラエル・フィルによる名演奏である。

メータは、今や現代を代表する大指揮者の1人であるが、本演奏でも五嶋みどりのヴァイオリンをしっかりとサポートするとともに、イスラエル・フィルを巧みに統率して、重厚な装いの中にも両曲に込められた美しい旋律の数々を感動的に歌い抜いているのが素晴らしい。

音質は1993年のスタジオ録音であり、今般、DSDマスタリングを施した上でのルビジウム・クロック・カッティングがなされたことにより、十分に満足できるものとなっている点についても付記しておきたい。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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