2015年05月25日

ハイフェッツ・プレイズ・グレート・ヴァイオリン・コンチェルト


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ヤッシャ・ハイフェッツの1955年から1963年にかけてのヴィヴァルディからローザまで13名の作曲家の主要なヴァイオリン協奏曲を収録した集成アルバム。

20世紀最高といっても差し支えないだろう名ヴァイオリニストであるハイフェッツの人智を超えた技術と感動が信じ難いような廉価盤BOXで入手できる運びとなったことを先ずは歓迎したい。

おなじみハイフェッツの協奏曲名曲集(CD4のみ現代物)を改めて通して聴き、真に素晴らしい音楽は完璧な演奏技術を基盤として成り立つ事を痛感させられた。

 
今回のリマスターによって、ヴァイオリンという楽器の表現能力を極限まで出し尽くすハイフェッツの「神技」をCDからでもかなり窺い知れるようになった。

冷たい、速すぎる、無国籍だ、などと批判されるハイフェッツだが、端正な歌わせぶりや多彩な音色の変化、さらに(CDからでも感じる)ダイナミクスの幅、なによりこれだけの集中力をもって一気に聴かせる演奏にはそう出会えるものではない。

演奏は均一かつ特有のストイズムに貫かれた「抜群」のもので、どれひとつとして発売以来、推薦盤から外れたことがない。

しかもプロコフィエフ、グズラノフ、ヴュータン、ローザなど同時代の作品についての取り組みも積極的。

ハイフェッツは超絶技巧と潔癖主義のため技術だけが最高で豊かな音楽がないと批判する人もいる。

しかし、この協奏曲集を聴くとヴァイオリンの演奏技術を超越した次元で自らの豊かな音楽を心行くまで奏していることが良くわかる。

そこには作為的な表現も過剰な感情移入もなく、自然極まりない究極の音楽の追求がある。

1955年〜1963年の録音であるため最近の録音のような生々しい音ではないが偉大な演奏の前には問題とならない。

どれも快速テンポでシャープなソロを聴かせるハイフェッツの名技を堪能できるものばかりで、ミュンシュやライナーをはじめとした指揮者たちが率いるオーケストラ・パートとのやりとりも爽快だ。

ハイフェッツの人間性が良く分かるエピソードとして百万ドルトリオの録音が知られている。

ベートーヴェンのピアノ・トリオ「大公」でルービンシュタインがポーランド風の癖のある演奏をすると、弾くのを止めてルービンシュタインを見つめて言う「もう一度やろう」。

実に真剣で厳しい。

しかし、練習の合間にはチェロのフォイアマンと超絶技巧パッセージの弾き比べをしていたという。

また、日曜日毎に名演奏家を自宅に招待して室内楽を楽しんでいたという。

決して気難しい人物ではなく心から音楽を愛する真の音楽家であったということが言えるだろう。

本BOXは、そのようなハイフェッツの真価が存分に味わえる名演集である。

古い音源ではあるが、最近のリマスター技術によって、ノイズも少なく鮮度の高い音質に生まれ変わっている。

ハイフェッツについてはいくどもリパッケージものが出ているが、本集は現状ではもっともお得な廉価盤BOXなので、ヴァイオリンを愛する、また音楽を愛する全ての方々にお薦めしたい。

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classicalmusic at 20:43コメント(0)トラックバック(0)ハイフェッツ  

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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