2015年06月02日
ノイマン&チェコ・フィルのドヴォルザーク:交響曲第7番、第8番[SACD]
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本盤には、ノイマンが2度にわたってスタジオ録音を行ったドヴォルザークの交響曲全集のうち、最初のもの(1973年のレコード・アカデミー賞を受賞)から抜粋した交響曲第7番及び第8番が収められている。
当該盤については、数年前にBlu-spec-CD盤が発売されたところであり、筆者はその際、次のようなレビューを既に投稿済みである。
「ノイマンは、ドヴォルザークの交響曲全集を2度完成させるとともに、交響曲第7番〜第9番については、全集以外にも何度も録音している。
いずれの演奏も、ノイマンの温厚篤実な性格があらわれた情感豊かな名演と考えるが、一般的には、2度目の交響曲全集や、ポニーキャニオン(現在は、エクストンから発売)に録音した第7番〜第9番、そして、ドヴォルザーク生誕100年を記念した第9番あたりの評価が高い。
それ故に、1度目の交響曲全集の旗色が悪いが、レコード・アカデミー賞を受賞した名盤でもあり、忘れられた感があるのはいささか残念な気がする。
本盤は、その旧全集から、第7番と第8番を収めているが、筆者としては、後年の名演にも優るとも劣らない名演と高く評価したい。
全体的に格調の高い情感の豊かさを保っている点は、後年の名演と同様の傾向ではあるが、ここには、後年の名演には見られない若々しい生命力と引き締まった独特の造型美がある。
誇張を廃した純正で格調高い表現の中に、豊かな民族的情感がにじみ出ており、また後年の演奏にないきりりとした若々しさがある。
手兵のチェコ・フィルも、そうしたノイマンとともに最高のパフォーマンスを示しており、録音も非常に鮮明である。
チェコ・フィルの古雅な音色美も絶品と言えるところであり、これぞ正調ドヴォルザークの決定盤と高く評価したい。
本盤は、Blu-spec-CD盤であるが、従来盤と比較してさらに鮮明度がアップしており、ノイマンの若き日の名演を高音質で味わうことができることを大いに喜びたい」
現在でも、演奏そのものの評価については殆ど変わっていないが、あえて付け加えることがあるとすれば、「第7」を初めて聴いた時の印象は、なんて地味な曲だろうと感じたが、繰り返し聴くうちにドヴォルザークの作品の中でも最も好きな曲のひとつになっていたことだ。
「第8」の尋常ならぬ完成度の高さもまさに自家薬朧中の至芸であり、最後まで緊張が緩むことがなく、このドヴォルザークの大傑作を最も精確に堪能できる素晴らしい名演奏だ。
極めてオーソドックスな演奏なのだろう、それが噛めば噛むほど味が出る、この曲の魅力を教えくれた。
本盤では、ついに待望のシングルレイヤーによるSACD&SHM−CD化が行われたことから、その点について言及しておきたい。
これまで愛聴してきたBlu-spec-CD盤についても十分に満足できる素晴らしい音質であったと言えるところであるが、今般のシングルレイヤーによるSACD&SHM−CD化によっておよそ信じ難いような次元が異なる極上の高音質に生まれ変わったと言える。
音質の鮮明さ、臨場感、音圧のいずれをとっても一級品の仕上がりであり、あらためてSACDの潜在能力の高さを思い知った次第だ。
いずれにしても、ノイマン&チェコ・フィルによる素晴らしい名演をシングルレイヤーによるSACD&SHM−CDによる極上の高音質で味わうことができるのを大いに歓迎したいと考える。
ノイマンによるドヴォルザークの演奏は、前述のレビューにも記したようにいずれ劣らぬ名演揃いであり、今後は、他の演奏についてもシングルレイヤーによるSACD&SHM−CD化をして欲しいと思っている聴き手は筆者だけではあるまい。
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