2015年05月16日

カラヤン&ベルリン・フィルのベートーヴェン:交響曲全集[DVD]


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本全集は、カラヤン&ベルリン・フィルという黄金コンビの最絶頂期である1970年(「第9」のみ1968年)に収録された映像作品である。

カラヤンはベートーヴェンの交響曲全集を本DVD作品を除けば4度にわたってスタジオ録音している。

このうち、フィルハーモニア管弦楽団との最初の全集を除けばすべてベルリン・フィルとの録音となっている。

いずれの全集もカラヤンならではの素晴らしい名演であると考えているが、中でもカラヤンの個性が最も発揮されたのは1970年代に録音された3度目の全集ということになるのではないだろうか。

その他では、先般、FM東京から、カラヤン&ベルリン・フィルの1977年の来日時の驚くべき普門館ライヴによる全集が発売されたところだ。

本全集は、さすがにあの超絶的な名演には敵わないが、それらとほぼ同じスタイルによる名演を映像作品によって味わうことが可能であり、精緻さと重厚さを兼ね備えた20世紀最高のベートーヴェン演奏と言える。

演奏は、この時期のカラヤン&ベルリン・フィルならではの圧倒的な勢力がとにかく凄まじく、その奔流と言いたくなる強烈な流動感に息を飲まされる。

特にカラヤンが指揮した時のベルリン・フィルの気合いの入った集中力の高さは見ていて本当に圧倒される。

名うてのスタープレイヤーが数多く在籍していた当時のベルリン・フィルは、一糸乱れぬ鉄壁のアンサンブル、ブリリアントなブラスセクションの朗々たる響き、桁外れのテクニックを披露する木管楽器の美しい響き、そしてフォーグラーによる雷鳴のようなティンパニの轟きなどが一体となった圧倒的な演奏を展開していた。

カラヤンは、これに流麗なレガートを施し、まさにオーケストラ演奏の極致とも言うべき圧倒的な音のドラマの構築を行っていたと言える。

それは本全集においても健在であり、これほどの圧倒的な音のドラマは、前述の普門館ライヴ録音は別格として、クラシック音楽演奏史上においても空前にして絶後ではないかと考えられるほどの高みに達している。

もちろん、カラヤンは本全集における各曲の演奏においては音のドラマの構築に徹していることから、各楽曲の精神的な深みの追求などは薬にしたくもないと言える。

したがって、とある影響力の大きい音楽評論家などは、精神的な深みを徹底して追求したフルトヴェングラーの名演などを引き合いにして、本全集のみならずカラヤンのベートーヴェン演奏の精神的な内容の浅薄さを酷評しているが、本全集はかかる酷評を一喝するだけの圧倒的な音のドラマの構築に成功しており、筆者としてはフルトヴェングラーの名演などとの優劣は容易にはつけられないものと考えている。

また、各楽曲の精神的な深みの追求がないという意味においては、何色にも染まっていない演奏であると言える(もちろん、表面的な音はカラヤン色濃厚であるが)ところであり、初心者には安心してお薦めできる反面で、特に熟達した聴き手には、各曲への理解力が試される難しい演奏と言うことができるのかもしれない。

本DVDを見聴きして、カラヤンが絶頂に在る事、ベルリン・フィルの充実度が最高の時期である事が誰の眼にも解るであろう。

録画・録音場所の選定や録画スタイルに異論を抱く愛好家が多いのは事実であり、筆者自身もそのように考えていた。

しかし、カラヤン自身が考えに考えた上での映像であり、チャレンジであった事が痛いほど画面から解る。

幸いフイルムに記録されており、年月を経た今日でも忠実な色再現をしており、音質に至っては本当に申し分ない。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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