2015年06月07日

ムーティのモーツァルト:後期6大交響曲集、シューマン:交響曲全集、ブラームス:交響曲全集、管弦楽曲集


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本セットにはムーティがウィーン・フィルを指揮したモーツァルトの後期6大交響曲集、シューマンの交響曲全集、フィラデルフィア管弦楽団を指揮したブラームスの交響曲全集、管弦楽曲集が収められている。

1980年代終わりから1990年代半ばにかけてPHILIPSレーベルにレコーディングされたこれらの演奏では、オーケストラの持つ伝統的な奏法を尊重したムーティの端正な音楽づくりが印象的だ。

モーツァルトでは、人数を大幅に減らした編成により古典派らしい風通しの良い音を鳴らしているが、旋律の美しさは最大限に活かされており、素朴調にならないのはやはりウィーン・フィル伝統のスタイルといったところであろうか。

ムーティのモーツァルトは、主観と客観の絶妙なバランスに支えられており、現代の聴き手にとってモーツァルトの交響曲を聴くことがいかに大きな慰めとなり、また救いとなるかを、現代の言葉で証明して見せた魅力と説得力がある。

ムーティの指揮は快適なテンポと快い前進性を守りつつ、薄味にならず、モーツァルトの音楽を目いっぱい堪能できる。

モーツァルトだからということで距離をおくことなく、実にのびやかに歌い上げた爽快感あふれる演奏であり、時に見せる大胆なアプローチも、かえってモーツァルトの新しさを掘り起こしている。

そんなムーティは、指示された反復記号も原則的に忠実に守って、作品のメッセージのすべてが実に生き生きとした音となって響きわたっている。

ウィーン・フィルを得たことも大きな魅力で、このオケ特有の美感が素晴らしく、現代に聴くモーツァルト像が、こんなにも艶やかな音色とふくよかな表情で再現された例もないと言えよう。

美しく、ロマンティックな夢に誘われる現代のモーツァルト演奏だ。

シューマンの交響曲は30歳から40歳にかけて書かれているが、これはムーティが30代半ばにレコーディングした全集である。

当時颯爽とした芸風で人気を博していたムーティは、ここでもシューマンの交響曲を生き生きと演奏し、シューマンをブラームスのように重厚にではなく、軽快で明るいタッチで演奏している。

シューマンの管弦楽法の問題などを感じさせることが無く、それぞれの交響曲を表情豊かに聴かせてくれている。

オーケストレーションへの配慮も見せて見通しの良い響きを確保し、弾むリズムによってフレッシュなシューマン像を確立している。

全4曲を通じて、ムーティがウィーン・フィルから極上の豊潤な響きを引き出しており、シューマンのロマン的心情を鮮明に浮かびあがらせている。

ブラームスは、フィラデルフィア管弦楽団のしなやかでふくよかな美しさが絶品の演奏。

聴いていて、これほどまでに綺麗で良いのだろうかとも思えてくるが、この響き、特に弦楽器のセクシーなまでの魅力には抗し難い魅力が備わっており、それがムーティの美質であるカンタービレの強さ、しなやかさ、美しさに、ベルベットを思わせるサウンドで世に名高いフィラデルフィア管弦楽団の弦楽セクションが呼応して、類例のないほど豊麗な歌にみちたブラームス演奏を実現することに成功している。

この作曲家独特の「歌への憧れ」がこれほどあふれるように示された演奏は稀と言っていいだろう。

全曲高水準な仕上がりであるが、中では第2番と第4番の艶やかかつ迫力もある演奏が際立っている。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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