2015年05月22日

ホロヴィッツのラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番(オーマンディ)、ラフマニノフ:ピアノ・ソナタ第2番


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協奏曲は、1978年1月、ホロヴィッツの爛▲瓮螢・デビュー50周年記念コンサート瓩離薀ぅ録音である。

途轍もない超名演だ。

このような演奏こそは、人類が永遠に持つべき至宝であるとさえ言えるだろう。

ホロヴィッツにとって27年ぶりの協奏曲の録音だけに、この演奏にかける意気込みは並々ならぬもので、とても73歳の高齢とは思えない、スケールの大きな、打鍵のしっかりした演奏である。

本演奏におけるホロヴィッツのピアノはもはや人間業を超えているとさえ言える。

強靭な打鍵は、ピアノが破壊されてしまうような圧倒的な迫力を誇っているし、同曲の随所に聴くことが可能なロシア風のメランコリックな抒情的旋律の数々においても、ホロヴィッツは心を込めて歌い抜いている。

その表現の桁外れの幅の広さは、聴いていてただただ圧倒されるのみである。

同曲は、弾きこなすのに超絶的な技量を有することから、ピアノ協奏曲史上最大の難曲であると言われており、ホロヴィッツ以外のピアニストによっても名演は相当数生み出されてはいるが、それらの演奏においては、まずは同曲を弾きこなしたことへの賞賛が先に来るように思われる。

ところが、ホロヴィッツの演奏では、もちろん卓越した技量を発揮しているのであるが、いとも簡単に弾きこなしているため、同曲を弾きこなすのは当たり前で、むしろ、前述のように圧倒的な表現力の方に賛辞が行くことになる。

このあたりが、ホロヴィッツの凄さであり、ホロヴィッツこそは、卓越した技量が芸術を凌駕する唯一の大ピアニストであったと言えるだろう。

人間業を超えた超絶的な技量を有していながら、いささかも技巧臭がせず、楽曲の魅力のみをダイレクトに聴き手に伝えることができたというのは、おそらくは現在においてもホロヴィッツをおいて他にはいないのではないかと考えられるところだ。

そして、本演奏を聴いていると、あたかも同曲がホロヴィッツのために作曲された楽曲のような印象を受けるところであり、それ故に、現時点においても、同曲については、ホロヴィッツを超える演奏がいまだ現れていないのではないかとさえ考えられる。

それに、これ以前の録音では大量にカットを行なっていたのに対し、ここでのカットは第1楽章カデンツァ中の2小節のみで、ホロヴィッツが遺した、唯一のほぼ完全版の演奏なのである。

以前の同曲の録音と比べると、テクニックの面でやや弱さはあるものの、深々とした呼吸で、ラフマニノフの曲のもつ暗い情熱を濃厚に表出していて立派だ。

オーマンディ&ニューヨーク・フィルも、このようなホロヴィッツの圧倒的なピアニズムに一歩も引けを取っておらず、感情の起伏の激しい同曲を見事に表現し尽くしているのが素晴らしい。

なお、ホロヴィッツによる同曲の超名演としては、ライナー&RCAビクター交響楽団をバックにしたスタジオ録音(1951年)があり、指揮者はほぼ同格、オーケストラは本盤の方がやや上、ホロヴィッツのピアノは旧盤の方がより優れているが、録音は新盤がステレオ録音であり、総合的には両者同格の名演と言ってもいいのではないだろうか。

ソナタ第2番は、作曲者と相談の上、初版と第2版を織り交ぜたホロヴィッツ版で、晩年のライヴながら、楽器を鳴らし切る桁外れの才能は健在である。

演奏は、この曲のもつ技巧的な性格を前面に押し出した、すこぶる華やかなもので、幻想の世界を濃厚に、しかも豪快に弾きあげている。

いずれの演奏も、両曲を偏愛したホロヴィッツによる正規録音としては最後のもので、彼ならではのダイナミズムと繊細な表現が素晴らしい名演である。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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