2015年07月31日

サロネン&ロサンゼルス・フィルのストラヴィンスキー:春の祭典/バルトーク:中国の不思議な役人/ムソルグスキー:はげ山の一夜[SACD]


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2003年10月にオープンしたロサンゼルス・フィルハーモニーの本拠地であり、音響に定評のあるウォルト・ディズニー・コンサート・ホールにて2006年1月に行われたライヴを収録したアルバム。

素晴らしい音質のSACDの登場だ。

本演奏については、既にSACDハイブリッド盤が発売されており、マルチチャンネルも付いていたこともあって、魅力的なものであった。

ユニバーサルは、一度SACDから撤退したが、撤退前の最後のCDということもあり、本盤さえ聴かなければ、素晴らしい音質のSACDと高く評価できるものであった。

しかしながら、本盤の音質は、そもそも次元が異なる。

マルチチャンネルが付いていないのに、ここまで臨場感溢れる音場を構築することが可能とは、大変恐れ入った次第だ。

ムソルグスキーの雷鳴のようなティンパニは、少なくとも通常CDでは表現し得ないような、ズシリと響いてくるような重量感であるし、バルトークに至っては、複雑怪奇なオーケストレーションが明晰に聴こえるのが素晴らしい。

そして、何よりも、今回の超高音質化に相応しいのはストラヴィンスキーの《春の祭典》であろう。

各管楽器の音の分離は驚異的であり、弦楽器の弓使いさえ聴こえてくるような鮮明さには、戦壊ささえ感じるほどだ。

どんなに最強奏に差し掛かっても、各楽器の分離が鮮明に鳴り切るのは、まさに空前絶後の高音質化の成果と言えよう。

演奏は、サロネンならではの若武者の快演である。

劇的な緊張感を孕んだリズム処理や、細部まで明晰に響く洗練された音色の重なり合いから新鮮な作品像が浮かび上がる楽曲が並ぶ1枚。

メインのストラヴィンスキー《春の祭典》は、新鮮な感覚で、この曲の持つ野性味をダイナミックに表現した演奏だ。

サロネンは、若々しさで押した感があり、それが快い。

サロネンの演奏は、十分に野性的でダイナミックなのだが、それでいてその響きを含めクールな感触があり、それが新鮮である。

しかもタクトの切れは鋭く、その精緻なリズム構築を見事に解きほぐし、明快な運びで作品のエネルギーを放射させていく。

「春の兆し」のあの猛烈なスピード! それは現代的なツービート感覚であろうか。

軽やかな「ハルサイ」の幕開けかもしれない。

第1部はややゆっくりとしたテンポで始めるが、途中からから激しく熱っぽく運び、しかもきりりと引き締まっている。

第2部もサロネンの棒は鋭く、しかもミステリアスな気分をよく描出している。

「選ばれた処女への讃美」から始まる原始的なリズム処理は素晴らしく、その熱気と迫力には圧倒される。

最早、何も堰き止めるもののない颯爽としたプロポーションの、駆け抜ける音楽と化している。

ここでは、大地に眠る神もいなくなったかのようだ。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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