2015年06月11日

フルトヴェングラー&ベルリン・フィルのシューマン:「マンフレッド」序曲、ブラームス:交響曲第3番、フォルトナー:ヴァイオリン協奏曲(1949年ライヴ)


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ティタニア・パラストにおける定期演奏会の実況録音であり、場内の咳ばらいが異常に多いが、そんなことが気にならないほど演奏は素晴らしく、音も当時のものとしてはかなり良い。

フルトヴェングラーの数多いCDの中でも、特に注目すべきものであろう。

ブラームスの「第3」は、ブラームスを聴くよりはフルトヴェングラーの名人芸を味わうべき演奏だと思う。

彼は音楽を完全に自己の個性の中に同化しており、テンポの極端な流動感、ドラマティックな設定、スコアにないティンパニに追加など、さながらフルトヴェングラー作曲の交響曲を聴く想いがするほどだ。

ことに驚くべきは、フレーズとフレーズの有機的な移り変わりで、その密接な血の通わせ方は際立って見事であり、これだけ自由自在な表現なのにもかかわらず、作り物の感じが皆無で、音楽が瞬間瞬間に生まれ、湧き起こってくる。

まさにフルトヴェングラー芸術の神髄ではなかろうか。

第1楽章の冒頭からして以上のことは明らかであり、第1主題の提示から第2主題の登場にかけての細かいテンポの流動は、ワルター&ニューヨーク・フィルにも匹敵するほどで、これでこそこの部分の音楽は生きるのである。

何とも言えぬ情感に浸りきる第2主題を経て、音楽は再び冒頭に戻されるが、第1主題がいっそうの情熱を持って反復されるところ、単なる機械的な提示部の繰り返しでないことがわかるであろう。

激しい気迫で追い込んでゆく展開部の加速は雄弁なドラマであり、その終わりの部分から再現部初めにかけての、ものものしいテンポの落とし具合は、沸き立つコーダの高まりとともに、音楽自体の呼吸と完全に一致して少しも違和感もない。

スコアのフレージング指定を改変して始まる第2楽章もフルトヴェングラーの独壇場だ。

ブラームス・ファン以外にはかなり重荷なこの音楽も、彼の手にかかると思わず聴き惚れてしまう。

ピアニッシモは強調されているが、全体としては強めで豊かな音楽になっており、漸強弱の指定があると、待っていましたとばかり強調する。

これはフルトヴェングラーとしても珍しい例であり、テンポの激変といい、旋律の思い切った歌といい、ブラームスのひそやかさを愛する人にはいささかの抵抗があるかもしれない。

第3楽章は中間部の後半以後のほとばしるような憧れの情が聴きもので、中でも再現部でテーマが第1ヴァイオリンに歌われる部分はほとんど泣いているかのようだ。

第4楽章は最もフルトヴェングラー的な部分であろう。

主部だけでもテンポが4段階に激しく変わり、同じ爛▲譽哀蹲瓩涼罎妊▲鵐瀬鵐討らプレストまでの差があり、音楽的な常識からは考えられないことであり、彼だから許されるというべきであろう。

展開部の熾烈な迫力などは凄まじさのかぎりだし、部分的には見事なところも多いが、実演を直接聴いているのならともかく、CDになるとやや極端な感じが否めない。

「マンフレッド」序曲も素晴らしい名演で、何よりも歌い方の豊かさにまいってしまう。

オーケストラの響きが満ち溢れるようであり、すみずみにまでフルトヴェングラーの血が通い、感情の波が大きく拡がってゆく。

フォルトナーはドイツの前衛的な作曲家で、このヴァイオリン協奏曲は1946年の作であり、現代音楽的な理屈っぽさを持つが、ドイツの作曲家ならではの心を打つ場面にも欠けてはおらず、だからこそフルトヴェングラーも採り上げたのであろう。

この曲の初演者でもあり、献呈もされたタッシュナーのヴァイオリンは線が細いが、高音に意味と魅力があり、ポルタメントが心をそそる。

音楽を身近に感じていることがよくわかる演奏だ。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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