2015年06月27日

エルネスト・アンセルメ・デッカ・レコーディングス〜ロシア音楽録音集(1946-1968)


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デッカの看板指揮者のひとりとして、1950年代から60年代にかけて膨大な数のセッション・レコーディングをおこなった巨匠、エルネスト・アンセルメ[1883-1969]の偉業を偲ぶイタリア・ユニバーサルの大型企画。

近年、有名作曲家の作品全集や有名指揮者・演奏家の録音全集がBOXで数多く発売されているが、ありそうでなかったのがアンセルメの録音全集だった。

エルネスト・アンセルメが指揮者としてのキャリアをはじめた頃は、クラシックの楽壇にも急激な変革がもたらされていた。

彼はそうした動向に強い情熱を示して、誰よりも先頭に立って新しい潮流を受け止め、深い理解と緻密な分析を通して自己の芸術を模索した指揮者だったと思う。

アンセルメはまたスイス滞在中のストラヴィンスキーへの共感から、このセットに収められたCD33枚分の音源のうち14枚が彼の作品に当てられている。

それはまたアンセルメがピエール・モントゥーの後釜としてディアギレフ率いるバレエ・リュスと共に多くのバレエを上演した経験が結実したレパートリーなのだろう。

これはライナー・ノーツからの受け売りだが、彼らが1916年にアメリカ公演に出た時、105日間で105公演という現在では考えられないハード・スケジュールをこなし、しかも演目は『春の祭典』や『ダフニス』などの難曲揃いだったというが、ニジンスキーの振り付けや新進気鋭のダンサー、レオニード・マシーンを抜擢したキャストがその成功をもたらし、アメリカの音楽界にも新鮮な衝撃を与える結果になったようだ。

アンセルメのロシア物への造詣の深さと驚異的なレパートリーは、こうした背景によって培われた成果に違いない。

幸い33枚のCDは作曲家ごとに再編集されているので聴きたい曲目を容易に見つけることができる。

参考までに作曲家ごとのCDの割り振りを見ると、やはり圧倒的な量を誇っているのがストラヴィンスキーのCD15-28で、中でもバレエ音楽『火の鳥』に関してはCD15(1955年録音、スイス・ロマンド管弦楽団)、CD23(1968年、ニュー・フィルハーモニア管弦楽団)、そして同年、同オーケストラとのリハーサル盤がCD24に、更に組曲版としてCD26(1919年版、1950年、スイス・ロマンド管弦楽団)とCD28(1910/1919年版、1946年、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団)の実に5種類の演奏を鑑賞することができる。

次がチャイコフスキーで3大バレエを含むCD1-6の6枚、プロコフィエフにはジュリアス・カッチェンをソロに迎えたピアノ協奏曲第3番や『スキタイ組曲』が収められたCD29-33の5枚が当てられている。

またリムスキー・コルサコフは2種類の『シェラザード』を含むCD8-11の4枚、ボロディンがCD7、その他ムソルグスキー、バラキレフ、リャードフ、グラズノフ、グリンカ、ラフマニノフの作品がCD12-14の3枚にまとめられている。

オーケストラは上述の他にCD13のグラズノフの『四季』『ワルツ』及びラフマニノフの『死の島』はパリ音楽院管弦楽団、CD28ストラヴィンスキー『詩篇交響曲』がロンドン・フィルハーモニー管弦楽団で、その他は総てアンセルメによって設立されたスイス・ロマンド管弦楽団の演奏になる。

アンセルメの録音は今日でもなお新鮮に感じられるし、スイス・ロマンド管弦楽団の技量については個性的ではあっても二流のオーケストラではない。

例えばストラヴィンスキーの組曲版『兵士の物語』では、ピックアップ・メンバーであったにせよ素晴らしいアンサンブルを聴かせている。

使用音源の大半は鮮明なステレオ録音で、モノラルの音源についてもデッカ・クオリティのため十分に聴きやすい水準なので、音質もモノラル、ステレオ共に極めて良好で鑑賞に全く不都合はない。

ライナー・ノーツは33ページほどで収録曲目一覧及び英、伊語によるアンセルメのキャリアについてのコメントと、最後に全曲の録音データが掲載されている。

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classicalmusic at 20:53コメント(0)トラックバック(0)アンセルメ  

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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