2016年03月05日

マルケヴィチのムソルグスキー:歌曲集(ヴィシネフスカヤ)、展覧会の絵(ラヴェル編)/ストラヴィンスキー:詩篇交響曲[SACD]


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プラガ・ディジタルスの新リリースの中でも版権の切れた、いわゆるヴィンテージ・コレクションに当たる音源をDSDリマスタリングしてSACDで蘇らせるシリーズは、音質に関しては玉石混交でかなりノイズの煩わしいものに出くわしたこともある。

またプラガは以前ソースやデータの改竄や表記ミスなどで物議を醸したレーベルなので、オールド・ファンでも用心してその出所を見極めなければならないのが実情だが、ここに紹介する曲集のように優れた音源の蘇生に成功している例も少なくない。

イーゴリ・マルケヴィチ指揮によるムソルグスキーの歌曲集は当時全盛期のソプラノ、ガリーナ・ヴィシネフスカヤの端正でスケールの大きな歌唱が卓越している。

それはロシアの風土とは離れがたい特有の感触を持っているが、また彼女の磨き抜かれた美声と多彩な表現が黒光りするような演奏で、更にこの作品を色彩化しているのがマルケヴィチ自身のオーケストレーションだ。

作曲家としてのプロフィールを持つ彼の繊細な感性と巧みな管弦楽法がアレンジに活かされている。

尚オーケストラはRUSSIAN SYMPHONY ORCHESTRAと表示されているが、当時のソヴィエト国立交響楽団と思われる。

1962年のフィリップス音源で『子守唄』『お喋りカササギ』『夜』『星よ、何処へ』『いたずら小僧』『ドニエプル河で』の6曲が収録されている。

ムソルグスキーの『展覧会の絵』はオーソドックスなラヴェル編曲版で、ベルリン・フィルとの1953年のモノラル録音によるセッションだが、録音もマスター・テープの保存状態も良好で、リマスタリングの効果で充分な音場の広がりと芯のある立体的で鮮明な音質が得られている。

マルケヴィチの指揮は厳格で細部にもその鋭利で几帳面な指示が行き届いているが、ベルリン・フィルの巧妙なアンサンブルとスペクタクルな音響が良く呼応して演奏が萎縮している印象はない。

またテンポはいくらか速めで全曲を通して30分強だが、それぞれの曲の特徴が凝縮されていて、輪郭の明瞭な組曲に仕上がっている。

マルケヴィチが指揮した多くの『展覧会の絵』の原点とも言うべき筋の通った力強さが感じられる演奏だ。

音源はドイツ・グラモフォン。

最後のストラヴィンスキーの『詩篇交響曲』の録音は、このCDのライナー・ノーツでは1960年と表示されているが、フィリップスからは1962年の音源としてリリースされていた。

どちらも同じメンバーによるセッションなので同一音源であることにほぼ間違いない。

このあたりがプラガのミステリーで予断を許さないところかも知れない。

いずれにせよ現代音楽を得意としたこの指揮者の典型的なサンプルで、少年合唱を含むコーラス陣と大編成のオーケストラを扱った二重フーガの第2楽章や、かなり難解な終楽章「アレルヤ」を鮮烈な色彩と張り詰めた緊張感で貫いた表現が秀逸だ。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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