2015年07月24日

ペーター・ダムのホルン・グレーテスト・ワーク集


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シュターツカペレ・ドレスデンを中心に活躍したペーター・ダムは既に現役を退いて久しいが、現代の名ホルン奏者の中でも最もヒューマンな感覚に溢れた演奏を残してくれた人ではないだろうか。

世界最古の歴史を誇る名門オーケストラ、シュターツカペレ・ドレスデンは、現在でも伝統ある独特の音色において一目置かれる存在であるが、とりわけ東西ドイツが統一される前の1980年代頃までは、いぶし銀の重心の低い独特の潤いのある音色がさらに際立っていた。

そうした、名奏者で構成されていたシュターツカペレ・ドレスデンの中でも、首席ホルン奏者であったペーター・ダムは、かかるシュターツカペレ・ドレスデンの魅力ある独特の音色を醸し出す代表的な存在であったとも言えるだろう。

ペーター・ダムのホルンの音色は、同時代に活躍したジャーマンホルンを体現するベルリン・フィルの首席ホルン奏者であったゲルト・ザイフェルトによる、ドイツ風の重厚さを持ちつつも現代的なシャープさをも兼ね備えたホルンの音色とは違った、独特の潤いと温もりを有していたとも言えるところだ。

本盤には、ペーター・ダムが1966年から90年までにドイツ・シャルプラッテンに蓄積した音源からピックアップされたもので、アンサンブル、ホルンとオーケストラ、そしてピアノ伴奏によるソロ・ピースなどバラエティーに富んだジャンルの曲目が集められている。

歌心に溢れたリリカルな表現では他の追随を許さなかったダムの感性を堪能できるセットとして、ホルン・ファンは勿論クラシックの入門者にもお薦めしたい。

協奏曲以外でもここには日頃それほど鑑賞する機会がないホルンとオーケストラのためのサン=サーンスとシューマンの作品がそれぞれ1曲ずつ、更にロッシーニのホルン四重奏版『狩での出会い』や難曲として知られるシューマンの『アダージョとアレグロ』などでも、ダムのクリヤーでソフトな音色とその名人芸が冴えている。

またウェーバーはホルンの重音奏法を取り入れた最初の作曲家と言われているが、その『小協奏曲ホ短調』のなかで実際に2声部の短いカデンツを聴くことができる。

選曲は既に個別にリリースされていたアルバムからの再編集で、「ロマン派ホルン協奏曲集」をベースに「フランス・ホルン作品集」から4曲、その他にサン=サーンスの『ホルンとオーケストラのための小品へ短調』Op.94、シューマンの『4本のホルンと第オーケストラのためのコンツェルトシュトゥックヘ長調』Op.86、ハイドン『ホルン協奏曲ニ長調』、ハイニヒェン『2本のホルン、2本のフルート、2本のオーボエ、弦楽と通奏低音のための協奏曲ニ長調』、テレマン『2本のホルンと2本のオーボエ、弦楽と通奏低音のための協奏曲ニ長調』、ロッシーニ『狩での出会い』、メンデルスゾーン『男声合唱のための六つのリーダー』から第2番及び第3番のホルン用アレンジ、そしてシューマンの『ホルンとピアノのための『アダージョとアレグロ変イ長調』Op.70、ブラームスの『ホルン三重奏曲変ホ長調』Op.40が収められていて、一応バロックから現代までのホルンの名曲をカバーしているが、ペーター・ダムのソロによるモーツァルトやリヒャルト・シュトラウスの協奏曲集は現行の別のアルバムに譲っている。

ベルリン・クラシックスの企画による器楽のためのグレーテスト・ワーク・シリーズは、ピアノ、チェンバロ、オルガンも含めると既に17セットがリリースされていて、それぞれが2枚組のデジパック入りで簡易なライナー・ノーツも挿入されている。

音源は旧東独のドイツ・シャルプラッテン社の所有であるために、演奏者もドレスデンやゲヴァントハウスのオーケストラの首席クラスの名手達が勢揃いしているのが特徴である。

ネームバリューに拘らなければ実力派のセッションを良質な音質で、しかも廉価盤で鑑賞できるのがメリットだ。

なお、ペーター・ダムの魅力的なホルンの音色は、モーツァルトのホルン協奏曲集や、ホルンが大活躍するブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」においても聴くことが可能であるということを付記しておきたい。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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