2015年07月09日

カラヤン&ウィーン・フィルのシュトラウス・コンサート


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オーストリア生まれのカラヤンによるシュトラウス・ファミリーの名曲集。

カラヤンが元旦恒例の「ニュー・イヤー・コンサート」に登場したのはその最晩年であったが、録音においては、既に50代の頃にこの素敵な名盤を遺していた。

何れもウィーン・フィルの伝統的な演奏スタイルと、カラヤン独特の美学が融合した名演に仕上がっている。

シュトラウス一家に代表されるウィンナ・ワルツは、あの3拍子の第2拍の後にごくわずかな間が入る独特のリズムが特徴であり、それはウィーンの人によれば、「学べるものではなく、感じなければならない」ということになる。

実際、ウィンナ・ワルツの微妙なリズムばかりでなく、そのリズムにのって歌われる流麗な旋律なども、すぐれた指揮者の演奏によると、とても粋な、ウィンナ・ワルツ特有の魅力が生まれることになる。

だが、だからといって、ウィーンの音楽家しかウィンナ・ワルツの独特の魅力は伝えられないかというと、そんなことはなく、また、例えばこの数年のウィーン・フィルの「ニュー・イヤー・コンサート」を聴いてもわかるように、同じウィーン・フィルでも指揮者によって、それぞれの個性が演奏に微妙に反映されている。

カラヤンも、周知のようにウィーンとは関係が深く、彼はザルツブルク生まれだが、父はウィンナ・ワルツの全盛期にウィーンに生まれているし、カラヤンも幼少期からしばしばウィーンを訪れ、また音楽の勉強の総仕上げをしたのもウィーンである。

そしてカラヤンがシュトラウスの音楽を知ったのは、まだ作曲家とそのテンポを知っている演奏家が活躍していた時代であった。

指揮者になってからも、その最初のオーケストラであるドイツのウルム時代から、《こうもり》をはじめシュトラウスの音楽をしばしば演奏した。

録音もカラヤンの初期から晩年まで、かなり頻繁に行い、それぞれの時期を代表する名演を遺していることは、改めて言うまでもないだろうが、このウィーン国立歌劇場の総監督時代のウィーン・フィル(1959年)との録音は忘れることができない。

カラヤンのシュトラウス・ファミリーの作品の演奏は、実際に踊るためのものではない聴くためのコンサート・スタイルの最右翼と言える。

殊に、このカラヤン全盛時代に演奏されたウィーン・フィルとの録音は、きわめてシンフォニックで豪華な響きに満たされており、ワルツ、ポルカといった軽い作品の中に新たな魅力を発見することができる。

モノゴトは“全力投球”をすると、優美さとか優雅な雰囲気、洒落た気分などという要素は、なかなかに出し難いものだ。

全力投球をすると、モノゴトはつい体に力が入り過ぎてしまい、柔軟性を失ってしまいがちであるが、ここにおけるカラヤンはそうではなく、シュトラウスの作品に対し、カラヤンはまさに全力投球をしており、手をゆるめるようなところは少しもない。

それでいて、ここに聴く演奏には、曲が強く要求してやまない優美な、洒落た雰囲気に満ち満ちていて、体に力が入り過ぎるような傾向がない。

なるほど、カラヤンという指揮者は、ややもすると通俗的なポピュラー曲と扱われかねないシュトラウスの作品でさえ、少しも力を抜くことなく、他の曲と同じような姿勢で取り組み、しかも作品が要求するものは的確に表現し得たのだと、改めて感服してしまう。

ここで注目されるのは、ほとんどの指揮者があまり取り上げないヨーゼフの《うわごと》である。

これはおそらくカラヤンの好みなのだと思うが、またウィーン・フィルのような大編成のシンフォニー・オーケストラの演奏ということも関係している。

「ワルツ王」も弟の《うわごと》をとりわけ愛していたそうだが、カラヤンもまた非常に好きだったに違いない。

このダンス音楽の枠を越えた幻想的な音楽の美しさをカラヤンほど素晴らしく表現した指揮者はいないし、ことにこのウィーン・フィルとの演奏は見事である。

他の曲もすべて洗練の極にある演奏であり、シュトラウスの音楽の魅力を堪能させてくれるのである。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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