2015年07月28日

プレヴィンのオルフ:カルミナ・ブラーナ(旧盤)


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プレヴィンはオルフのカルミナ・ブラーナを2度ににわたってスタジオ録音を行っている。

最初の録音が本盤に収められたロンドン交響楽団ほかとの演奏(1974年)、そして2度目の録音がウィーン・フィルほかとの演奏(1993年)である。

いずれ劣らぬ名演と評価したいが、筆者としては、プレヴィンの全盛期はロンドン交響楽団とともに数々の名演を成し遂げていた1970年代前半であると考えており、本盤に収められた演奏の方を僅かに上位に掲げたいと考えている。

それにしても、本演奏は素晴らしい。

何が素晴らしいかと言うと、とにかく奇を衒ったところがなく、カルミナ・ブラーナの魅力を指揮者の恣意的な解釈に邪魔されることなく、聴き手がダイレクトに味わうことが可能であるという点である。

同曲はあまりにもポピュラーであるため、個性的な解釈を施す指揮者も多く存在しているが、本演奏に接すると、あたかも故郷に帰省してきたような安定した気分になるとも言えるところだ。

プレヴィンは、クラシック音楽の指揮者としてもきわめて有能ではあるが、それ以外のジャンルの多種多様な音楽も手掛ける万能型のミュージシャンである。

それ故にこそ、本演奏のようなオーソドックスなアプローチをすることに繋がっていると言えるだろう。

楽曲を難しく解釈して峻厳なアプローチを行うなどということとは全く無縁であり、楽曲をいかにわかりやすく、そして親しみやすく聴き手に伝えることができるのかに腐心しているように思われる。

プレヴィンは、ポピュラー音楽の世界からクラシック音楽界に進出してきた経歴を持っているだけに、楽曲の聴かせどころのツボをしっかりとおさえた明瞭なアプローチを行うのが特徴と言える。

本演奏においてもそれは健在で、特に、楽曲がカルミナ・ブラーナという世俗カンタータだけに、かかるプレヴィンの明瞭なアプローチ、演出巧者ぶりが見事に功を奏している。

本演奏のどの箇所をとっても曖昧模糊には陥らず、各フレーズをくっきりと明快に描くのに腐心しているとさえ感じられるところである。

かかるアプローチは、ベートーヴェンやブラームスの交響曲などのような陰影に富む楽曲の場合、スコアに記された音符の表層だけをなぞった浅薄な演奏に陥る危険性を孕んでいるが、前述のように、楽曲が当該アプローチとの相性が抜群のカルミナ・ブラーナであったということが、本演奏を名演にした最大の要因であるとも考えられるところだ。

聴かせどころのツボを心得た演出巧者ぶりは心憎いばかりであり、プレヴィンの豊かな音楽性が本演奏では大いにプラスに働いている。

特筆すべきはロンドン交響楽団、そして同合唱団及び聖クレメント・デインズ小学校少年合唱団の見事な好演であり、シーラ・アームストロング(ソプラノ)、ジェラルド・イングリッシュ(テノール)、トーマス・アレン(バリトン)による名唱も相俟って、本名演をより一層魅力のあるものにするのに大きく貢献しているのを忘れてはならない。

クラシック音楽入門者が、カルミナ・ブラーナを初めて聴くに際して、最も安心して推薦できる演奏と言えるところであり、本演奏を聴いて、同曲が嫌いになる聴き手など、まずはいないのではないだろうか。

いずれにしても、本演奏は、プレヴィンによる素晴らしい名演であり、同曲を初めて聴く入門者には、第一に推薦したい名演であると評価したい。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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