2015年07月18日

イタリア・オペラ界を支えたかつての二軍テノール達


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1950年代から60年代にかけてイタリア・オペラ界はソプラノからバスに至るまで、あらゆるキャラクターを演じることができた豊富な人材に恵まれていた。

奇しくもそれは2人のプリマ・ドンナ、マリア・カラスとレナータ・テバルディがライヴァル意識に火花を散らした時代でもあったが、一方テノールでもタリアヴィーニ、デル・モナコ、ディ・ステファノの黄金時代に重なっていた。

勿論彼らの背後には二軍とも言える個性的な歌手達が星の数ほど控えていて、このアリア集では4人のテノール、ジュゼッペ・カンポラ、ジャンニ・ポッジ、ジーノ・ペンノ及びジャチント・プランデッリが往年の声を披露している。

4人とも上記の2人のプリマ・ドンナとも共演しているし、それぞれがオペラ全曲録音も残しているが、3人の花形テノールの圧倒的なイメージの影に隠れてしまったのが彼らにとっては不運だったと言えるだろう。

この4人には弱点もあったが立派なはまり役もあって、本人もその当たり役に賭けて舞台に上がったので絶大な支持と喝采を得ることができたし、またそれが許される時代でもあった。

声の質や総合的な表現力ではカンポラが優れているし、超高音を楽に出すことができたポッジは『トロヴァトーレ』の「あの炎を」でハイCを2回歌っているが、ペンノは同アリアを半音下げてごまかしているところが面白い。

現在の歌手に求められる条件は馬鹿の一つ覚えではなく、自分の声質をある程度無視してでも、どの役も起用にこなすオールマイティなそつのなさだ。

ジュリーニがかつて指摘したように昨今の人気歌手は欧米のオペラ劇場を掛け持ちで回るため、常に声帯が疲労した状態で声が荒れてしまっている。

スケジュールが詰まっているのでオーケストラとの練習時間や舞台稽古も満足にできず、以前のような行き届いた上演が不可能になってしまった。

ジュリーニがオペラから手を引いたのは、まさにそうした理由からだった。

このCDに収められた1950年代の歌手達は我儘が通った時代だけにベスト・コンディションで舞台に立とうとしたし、また非常に広い層の歌手がイタリア・オペラ界を支えていたことの証しでもある。

彼らが二軍として片付けられない魅力を持っていたことは確かだ。

1951年から55年にかけての全曲モノラル録音ながら、当時ロンドン・レコードが誇ったffrr(Full Frequency Range Recording)の音質はノイズも極めて少なく鮮明な状態で再現されている。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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