2015年07月20日

ホッター/ドイツ・リート・リサイタル


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20世紀中盤を代表する名バス・バリトン、ハンス・ホッター全盛期のドイツ・リート集で、以前エンジェルからLP盤でリリースされていたジェラルド・ムーアとのセッション録音を集めた英テスタメント・リマスター盤。

その後に出されたEMIイコン・シリーズ6枚組とは曲目がかなりだぶってはいるが、シューベルトとブラームスでは同一曲でも録音年の異なるセッションから選択されているのがセールス・ポイント。

特に『音楽に寄す』『セレナード』『別れ』『春に』『菩提樹』『さすらい人の夜の歌』の6曲はホッター48歳の堂々たる風格で独自の境地を示した歌唱が堪能できるだけでなく、良好な音質でイコンの1949年盤に優っている。

既に廃盤の憂き目に遭っている音源なので、これだけでもリマスタリングされたこのCDを鑑賞する価値はある。

その1年前に録音されたブラームスを除いて残りの全曲が1957年収録で、この中の数曲は試験的なステレオ録音で残されている。

ワーグナー歌手としても一世を風靡した名バス・バリトン、ホッターのもう一方の極めつけがシューベルトを始めとするドイツ・リートであった。

理知的で洗練された歌手であったホッターは持ち前の声量をコントロールして、ドイツ・リートでも抜きん出た存在で、フィッシャー=ディースカウの知的な歌唱とは対極にある、しみじみとした深い味わいは絶品だ。

ピアノは総てジェラルド・ムーアが弾いていて、ここでも彼の伴奏に関するさまざまな理論が実践に移されているセッションでもある。

ホッターのような低い声で歌う歌手は、当然楽譜も自分の声に合わせた移調楽譜を使うわけだが、そのために伴奏者は音量の調節だけでなく、歌曲全体の雰囲気が暗く沈んでしまわないように注意を払わなければならない。

また作曲家が書いた、いわゆる原調とは全く異なった運指で歌手の声や表現を引き立てる奏法を編み出さなければならなかったムーアのテクニックの秘訣は、彼の著作『歌手と伴奏者』や『お耳障りですか-ある伴奏者の回想』などに自身の苦労話と共にユーモアたっぷりに紹介されている。

ライナー・ノーツは30ページほどで曲目一覧、録音データ、英、独、仏語による解説と全歌詞の英語対訳が掲載されている。

尚英テスタメントからはもう1枚、やはりムーアの伴奏によるホッターのヴォルフ歌曲集が独自のリマスタリングでのライセンス・リイシュー盤でリリースされている。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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