2015年10月22日

パールマン&マルティノンのフランス・ヴァイオリン名曲集


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ヴァイオリニストにとって必須のレパートリーとなっているフランス・ヴァイオリンの名曲4曲を1枚に収めた魅力的なアルバム。

当代屈指のヴァイオリニスト、イツァーク・パールマンの秀でた音楽性と華麗なテクニックの万能性を示した1枚で、パールマン若き日の最良の記録でもある。

パールマンの明るく艶やかな音色を一瞬たりとも失わない滑らかなボウイングと、圧倒的な余裕で弾き切る華麗なテクニックがひときわ冴え渡る演奏だ。

歌う楽器としてのヴァイオリンの特性を最高度に発揮した演奏は、豊かで美しく生命力に溢れたもの。

パールマンはどんな曲であっても曲想にのめり込まず、常に高踏的な解釈に踏みとどまって、なおかつそれらの曲の本質と個性を的確に把握する。

テクニックの冴えはもちろん、曲によって様々に表情を変える音色の豊かさはパールマンならでは。

またこうしたフランス物では軽妙洒脱さと同時に狡猾とも言える聴き手に対するさりげない媚があって、それぞれの作品がコケティッシュで魅力的なものに仕上がっている。

パールマンを巧妙にサポートしているのがジャン・マルティノン指揮するパリ管弦楽団で、彼ら特有の美的感性を漂わせた色彩豊かで陰影に富んだ音響がソロ・ヴァイオリンを際立たせている。

ショーソンの『詩曲』での直情的で鮮烈なロマンティシズムと陰影の濃い叙情も素晴らしいが、白眉は何と言っても最後に置かれた(後のズービン・メータとの再録音に先立つ)ラヴェルの『ツィガーヌ』だ。

『ツィガーヌ』では前半の長い無伴奏の部分を豊麗なダブル・ストップやフラジオレット、ピチカートで弾き込むパールマンの幅の広い表現と魔術師のようなソロに、妖艶なハープによって導入されるオーケストレーションのコントラストが極めて幻想的な美しさを醸し出していて格別だ。

彼らの応酬は常に緊迫感を持っていて、後半のソロの超絶技巧を駆使したパッセージとマルティノンのたたみこむような追い込みによる音楽の高揚が虹のような色彩感を体験させてくれる。

この音源は1974年に録音されたもので、以前カップリングされていたアンドレ・プレヴィン指揮、ピッツバーグ交響楽団とのサラサーテの『ツィゴイネルワイゼン』を除いて、ジャン・マルティノン指揮、パリ管弦楽団の協演になるフランス物のみの4曲を1枚にまとめたリイシュー盤で収録時間は短いが、音楽的にはよりバランスのとれた編集になった。

24Bitリマスタリング盤で音質は極めて良好。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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