2015年08月06日

フルトヴェングラー&ウィーン・フィルのR.シュトラウス:交響詩集、他[SACD]


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昨年プラガ・ディジタルスからSACD化されたフルトヴェングラーの演奏集が2枚ほどリリースされた。

そのひとつがこのリヒャルト・シュトラウスの作品集で、交響詩『ドン・ファン』(1954年)『死と変容』(1950年)『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』(1954年)の3曲のそれぞれがフルトヴェングラーがウィーン・フィルと共演したHMV音源になる。

これらは録音及びオリジナル・マスターの保存状態が良好で、モノラルながら音場の広がりと立体感のある音響の再現に成功している。

音域ごとの分離状態も良く、各楽器の音色も明瞭に捉えられている。

例えば曲中でソロを受け持つヴァイオリン、オーボエ、ホルンなどの音像も鮮明で、録音会場になったウィーン・ムジークフェライン・グローサー・ザールの潤沢な残響によって音色に生々しさが加わり、パーカッション群の超高音からティンパニやコントラバスの低音に至るまでの広い音域が無理なく伸展している。

演奏に関しては既に語り尽くされているので、今更その価値について云々するつもりはないが、それぞれの曲でクライマックスへ向かう渦巻くような情念の高揚と、高踏的な音楽美学の止揚はまさにフルトヴェングラーの独壇場だろう。

ディスクの表面にバイ・チャンネル・ステレオの表示があるが、おそらくこの曲集のいくつかは電気的に音場を広げた擬似ステレオと思われる。

後半に収められているオットー・アッカーマン指揮、フィルハーモニア管弦楽団のサポートによるシュヴァルツコップの『四つの最後の歌』(1953年)がまた秀逸だ。

シュヴァルツコップはオーケストラを従えたこの曲の録音を3回行っていて、1965年のジョージ・セル、ベルリン放送交響楽団との演奏が円熟期の名盤として高い評価を受けているが、このセッションはシュヴァルツコップ38歳の最初のもので、その若々しい声と張り詰めた緊張感には替え難い魅力がある。

シュヴァルツコップの声質はソプラノとしては決して重い方ではないが、声の威力ではなく、その歌詞を語り尽くすような表現力の彫りの深さと陰影の変化で驚くほどドラマティックな効果を上げて、失われていくものへの不安や憧憬を見事に歌い切っている。

またアッカーマンの指揮も憂いと期待が交錯するオーケストレーションの綾を絶妙に辿ってソロの背景を描き出したところが素晴らしい。

尚ライナー・ノーツにはドイツ語の歌詞が掲載されているが対訳はない。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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